- Everlasting scar - 永遠の傷跡
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- Everlasting scar Ⅳ -
「ふーん…だから送ってたんだ。」
秀一の部屋では勉強も一段落し、口元にアイスを運ぶ栄子。
合間合間に「おいしい!!」と笑みを浮かべながら頬に手を添えアイスに酔っている。
「…そうだよ。だいたい俺に彼女が居ないって知ってるだろ??」
息をつきながらもソファに腰掛ける秀一。
それに「いなにの!!?うそだぁ!!!」とテーブルに身を乗り出す栄子。
「…いない。」
「意外すぎる。やっぱり美しすぎるんだわ、秀ちゃん。」
「意味の分からない事いわないで。」
「……。」
ちらりと時計を見る栄子。
それに瞳を細める秀一…
「……だめだよ。」
「なんで??気にならないの??」
「ならない。」
「嘘だぁ。私なるなぁ…というか、そもそも夜に誰か見張りとか立てないの??備品が壊れているとか、結構問題なんじゃないの?」
「……。」
-…見張りで行った副顧問の先生は今ずっと入院中なんだよ。どうも点検中にプールに落ちて怪我したらしくって…。
「だめだよ、そもそも夜中に君を連れ出せない。」
「うわっ、私もう社会人だよ??それどっちかと言うと私の台詞じゃない??」
「とにかく、駄目。」
「えぇ~…気になる。明日休みだし、帰りにちょっとだけ覗いて帰ろうかな。」
楽しそうに笑う彼女に半分本気だなと感じる秀一。
「君の家は隣でしょ?」
「秀ちゃんのけち。」
「なんとでも。」
「………。」
「行くなよ。」
「はぁ~い。」
面白くなさそうに手を上げる栄子に疑いの眼差しを向ける秀一。
そして…
彼女が帰れば窓から下を見下ろす。
そして、隣の家に入って行く彼女を見て安堵のため息をついた。
(明日になれば忘れてるだろう…。)
と、思っていたのが、甘かった…
彼女はもう子供ではない。
お菓子で釣られるも、忘れる少女ではなくなっていた-…
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