-本編・妖狐編ⅡとⅢの間のお話-
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魔界のある場所にある、大きな屋敷…否、盗賊団のアジトはいつにも増して騒がしかった。
「酒だ!!酒持ってこーい!!!」
「やっほい!!宴だぁ!!!」
大広間では久々の宴会が開かれていた。
今回の仕事はかなり大きなものだったらしく、大成功の大収穫だった彼らは、帰ってくるなり疲れているにも関わらず宴会を始めだしたのだ。
「好きにさせてやれ。」
止める黒鵺を他所に、蔵馬はそう言う。
「…好きにさせると頭のあんたもただじゃすまねぇぜ。俺はパスだ、三日もぶっとうしだったんだ、寝る。俺は寝るからな。」
黒鵺は大きなあくびをするとそそくさと自室に入っていく。
その後ろ姿を見てやれやれと目を細める狐。
自分の身を案じてくれていた事は分かるものの、狐自身まだ休む気はなかった。
彼の思考はすぐ別の事に切り替わる。
足早にそこへ向かう。
既に夜も更け、そこには静かな寝息だけが聞こえる。
布団にくるまる彼女の頭を優しく撫で、額に口付けを落とす。
「ただいま、栄子。」
狐は微笑んだ。