薔薇とお狐様4
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「しかし本当に間に合ってよかったです。もし処分されていたらどうしようかと思ってたんですから。」
出された紅茶を一口飲みながらニッコリと微笑む琥珀。
テーブルを挟んだ目の前には、躯と黄泉。
少し離れた所では、修羅と竜崎がソファに座りオレンジジュースを飲み、飛影はベランダで煙草を吹かしている。
そこに秀一と栄子の姿はない。
「あの後、案の定僕以外皆彼女の記憶だけが消えてしまって、本当に参ってたんですから。しかもです…頭は一度瀕死の状態で人間界に行った後人間として生きているって聞くじゃないですか。もしかしたらって思って人間界に様子見に行けばまだ妖怪だし…。だから、やはりその後の出来事だと思って一応気にはしていたんですけどね。」
「はぁ~全く、早くそれを教えに来い、馬鹿が。」
もう少し遅かったら殺していたぞ。息をつき椅子に凭れる躯。
「これでも頭が死んだって聞いて大急ぎで来たんですよ?まぁ、間に合ってよかったですよ。これで薬が効かなかったり、効果切れだった場合は半分本気で彼女を貰おうと思ってたんですけどね…残念です。」
「……ほう。いきなり出て来てなかなか面白いことを言うな。」
そう言う割に目が笑っていない躯。
そしてー…
「あれはよく妖怪に好かれる娘だな。……最悪修羅の嫁にも正直考えてたんだがー…」
「ぶっ!!な、父さん!!何言ってるの!??」
といきなりの黄泉の発言に真っ赤になりジュースを吹き出し慌てる修羅。
「修羅君、無理だよ~蔵馬さん生きてるんだし、諦めよ。」
そして、修羅の隣ではケラケラ笑いながら彼の背中を叩く竜崎。
「…確かに妖気は感じないが、蔵馬の気配は少なからず感じる、あれはなんだ?」
「頭は頭、ですからね。秀一さんの肉体に頭が同化してるのなら妖気がなくなって妖怪じゃなくなっても、「蔵馬」には違いないでしょう?強さはかなり落ちるでしょうが…それでも人間離れした強さには違いないでしょうしね。…もう植物はあやつれないでしょうが。」
「……暇潰しが一人減ったか。」
ふんっと鼻だけで笑う躯。
それに琥珀はにっこり笑みを浮かべる。
「まぁ、でもー…」
頭にとってはそんな事、きっとどうでもいいんでしょうね。
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