薔薇とお狐様1
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「たらふく食べたか?」
「はい、死ぬほど食べました。」
「水筒は…持ったな。弁当は?」
「持ちました!!」
にっこり笑い背に背負ったリュックサックをこれでもかと心配する躯に向ける彼女。
そして、同じ様に側では赤い瞳が揺れていた。
「おい、一体その中身はなんだ?出来るだけ身軽でいけ。こっちに帰ってこれると行っても逃げ足が遅ければおまえが怖い思いをするぞ。」
心配気な飛影の言葉。
「これは色んなグッズだよ。秀ちゃんの部屋から色々貰って来たの。それにいざというときの交渉品もいれたし!!大丈夫、絶対奇跡の水持って帰ってくるから!」
「交渉品??」
「妖駄さん、準備完了です。」
「おい、交渉品とはなんだ?」
食いつく飛影に、まぁまぁとなだめるも、どこか口元の引きつる飛影は内心嫌な予感がしている。
先程渡された腕輪をつける。
飾りもない白い輪っか。
これが引き戻しの輪というやつらしい。
そして、すぐ隣に揺れるのは秀一が魔界に来てから新たにくれた枯れる事のない小さな桜の花で飾られたシルバーのブレスレットだ。
(秀ちゃん必ず助けるからね)
「はじめに言っておくが、こちらと過去の時間の進み方は違う。あちらの二ヶ月がだいたいこちらの一日じゃ。だから焦る事はない、蔵馬達が仕事に出て手薄になった所を狙えばまず安心じゃろうて。」
ふぉふぉふぉっと髭を撫でながら笑う彼。
目の前の床にあるのは直径1mほどの丸い黒い穴。
それにごくりと唾を飲み込む彼女。
そして周りのみなを見回しにっこりと笑えば-…
「じゃぁ、…いってきます!!」
勢いに任せてその穴に飛び込むのだった。
そして…
新たな物語はここから始まる。
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