薔薇とお狐様4
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限界だったのかもしれない
奇跡の水はおろか帰る方法すら手探りになった今
無意識の中であの人を求めていたんだろうか
まだ大丈夫だと思っていたのは、どこかで無理をしていたんだろうか
私は…
狐の真っ直ぐな言葉に揺れた
正直この時代の彼に何度も翻弄されそうになった
だけどそれを受け入れる事はとても難しい
同じでも違う
『彼』であり彼ではない
わかっているのに…
だから、あんな幻覚を見たんだろう
無意識の葛藤の中
揺れ動く今と昔
私は何のためにここにきた?
私は『貴方』の側にいたい
早く貴方に会いたい
早く貴方の体温を感じたい
ぐちゃぐちゃな感情
不安と混乱と自分への嫌悪感に押しつぶされる最中
後ろから静かに抱きしめる彼の優しい腕に涙が更に溢れた
蔵馬
秀ちゃん
ごめんなさい
私は自分の為に
貴方を生かしたい
ー 蔵馬side ー
何も言わずとも理由などわかる
だが、誰が好んで別の男を思い泣く女を慰めなければいけないのか
女を慰めるなど今まで一度たりともない
そんな行為必要もなければ
泣かれ様が縋り付かれようが己は気にさえしなかったのだ
否、己のこの気持ちは慰めるなど生易しいものではない気さえする
他の男の為に感情を揺さぶられる様を見るに耐えれず、早く泣き止ませたいだけなのかもしれない
わからないのだ
己の内の感情が
それは独占欲からか
ただ優しくしたいのか
お前といると酷く疲れる
なのに
側に置いておきたい程己は執着している
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