薔薇とお狐様3
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その頃、現代では-…
「準備OKだぜ、妖駄。」
躯の部屋では、白い腕輪を頭上に掲げながらにやりと笑うこの城の主、躯の姿がそこにあった。
「絶対殺してはいかんぞ、躯。」
もう何度釘を刺したことか。
先程から分かってると適当に相打ちを打つ躯に、本当に分かっているのかと…と、息を付きながら妖駄は痛くなる頭を押さえる。
先程、栄子の着けている腕輪の反応が消えゲートが閉じたことで、この場は騒然とした。
理由が分からないものの、栄子に過保護な者達は「自分が行く!!」とうるさくて聞かない。
腕輪の反応が消えたということは腕輪がなんらかの衝撃で壊れたということ
彼女の身に何かが起こり腕輪が壊れた。
しかしだ、妖駄の作った腕輪はちょっとやそっとの衝撃では壊れる事は無い。
『蔵馬が栄子さんを元の世界に返したくなくなったんじゃないかしら?』
しかし、そんな時呟いた少女の言葉。
ありえるな。と、納得するものもいれば、まさか…と鼻で笑う者(主に黄泉)。
女に執着を見せない蔵馬がありえないと言う黄泉。
それでもはっきり否定できないのは、現代でも彼女への蔵馬の愛情は他を見ないほどだったからだろう。
そして、今に至る。
躯、飛影、修羅は自分が行くといって聞かなかった。
そして、戦いの末?勝ち残ったのが、躯であったのだ。
「早くしてくれ。心配で俺が倒れそうだ。」
何も用意などせず我が身ひとつの彼女。
再びゲートが開くのを待ちわびる躯。
そんな時、彼女に掛かる声。
「なんだ、浅野。というかお前今までどこにいたんだ?」
扉から入ってくる魔女である浅野は躯の前まで行くと床に片膝を付け頭を下げる。
「…行く前にひとつ言っておくことがございます。」
そう言って顔を上げにっこりと笑みを浮かべる彼女に躯は怪訝そうに眉を寄せるのだった。
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