薔薇とお狐様1
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暗雲の空に蠢く雷雨
雨がざぁざぁと地面に降り注げば
ただでさえ湿った地面はさらにぬかるむ
魔界の森奥でもそれは変わることはない
雨の音だけが耳に酷く響く
彼女は目の前の男を呆然としながら見上げた
「…くら…ま…」
時間が、動き出す-…
男は優しく笑みを浮かべ彼女を見下ろせばゆるりと頬を撫でた。
しかし、それを呆然と見る彼女の瞳はゆっくりと下へ下がる。
心臓がどくどくと激しく脈打てば足元から凍っていくような感覚に支配される
彼の白く綺麗な大きな手がいつもより冷たいのは気のせいだ-…
目の前の真っ白な胸元に赤が広がって行くのもきっと目の錯覚
ざぁざぁと雨が赤を流し混ざって行く…
足元に出来て行く血の池
よろめく男の体を支え、彼女は震える手で彼の赤い胸元に手を置いた-…
虚ろに
虚ろに
闇が侵食して行く-…
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