学園祭編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
-学園祭当日一日目-
「いらっしゃいませぇ!!」
「ありがとうございましたぁ!!」
教室内はそれぞれクラス毎の個性の装飾が施され、出し物や出店…それはクラスによってさまざまだ。
あるクラスは甘味屋をしてみたり、あるクラスはマジックショーをしてみたり、他高からも沢山の学生が客としても来るほど盟王高等学校の学園祭は賑やかなものだった。
そして、栄子のクラスはというと…
「こ、こここここここ…怖いよ、こわいよぅ。」
真っ暗な教室内に張り巡された偽雑木林。
その雑木林の端に身を隠しぶるぶると震える栄子。
思わず声が出ている事に本人は気づいてはいない。
先程から数人通り過ぎるも逆にびびってしまい脅かすことすらままならない状況に陥ってしまっている。
そして-…ついには…
「あ、栄子発見-…」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
いきなり掛けられた声と肩を叩かれた事に驚き叫べば、目の前の人物は驚いて尻餅を着く。
「な、ななななな…なんなのよ、栄子!!」
真っ青になり口角が引きつる目の前の人物を、栄子は「え?」と涙目になりながらしっかり見据える。
「…あ、蛍子…。」
「あ、あっじゃないわよ!!あんたあんな驚かし方してるの!!?信じらんない、腰抜かしたじゃない!!」
未だ座り込んだままこちらを見るのは友人である蛍子。
「蛍子、来てくれたんだ。」
高校が違う友人の彼女。
離れていても何かと気にかけてくれる大事な友達。
「……もう、本当にびっくりしたわ。」
はぁ…寿命縮んだ…と呆れたように息をつけばゆっくりと立ち上がる栄子。
「幽助君は一緒じゃないの?」
そう言えば蛍子は少し困った表情になる。
「あいつは、まだ帰ってきてないわ。」
幽助君は蛍子の彼氏で現在まだ『マカイ』という国に留学中らしい。(地図には載ってないらしい→蛍子談、笑)
いつも忙しい人だなぁ…と栄子は思う。
「それにしてもあんたその格好は…それもしかして、ドラキュラ?」
「あ、あたり!!かわいいでしょ、これ。」
にっこり笑うと見える牙に、クルクルと回れば黒いマントが揺れる。
「…まぁ。そうね。」
「もう少しで休憩だから、一緒に回ろうよ!!」
これ脱げないけどね…と笑う彼女に蛍子は、そのつもりできたんだけど…と笑った。
そして-…
「秀ちゃんみーつけた!!!」
あるクラスの団子屋で幼なじみの彼を発見する栄子。
数人の友人といた彼は彼女の声に気付けば、扉越しこちらを覗いている栄子の側へ行く。
「…どうしたの?あ、蛍子ちゃんも来てたんだ。こんにちわ。楽しんでる?」
それにぺこりと頭を下げ挨拶をする蛍子。
そして、再び栄子に目を向ける秀一。
「…栄子、その格好どうしたの?」
「ん、お化け屋敷、言ってなかったっけ?」
「聞いてたけど…ふうん。結構似合ってるね。」
にこりと笑みを浮かべ口元に手を当てる秀一に栄子はそうかな?と照れ頭を掻くが、すぐにはっと何かに気付き秀一を見上げる。
「秀ちゃん、行かなくちゃ!!」
「…へ??」
「早く、終わっちゃう!!」
がしりと腕を掴まれ引っ張られる秀一。
そして-…
「ねぇ、栄子…」
酷く口元が引きつる秀一に-…
「なになに秀ちゃん!!」
キラキラと瞳を光らせる栄子に、その隣で申し訳なさそうに俯く蛍子。
グランドにいる三人の目の前には-…
『女装NO.1選手権』
と、高々と看板が掲げられステージがあれば沢山の女装男子生徒が立ち並んでいる。
「…俺に、あれを着ろって?それとも着ないでか?」
低くも冷たい声色。
「…あ、あれ??」
なんのデジャブでしょうか?
そして背筋に感じる、この悪寒…。
栄子の隣ではやれやれとポーズをとる蛍子の姿がそこにあった。