あなた達の彼女
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ひどすぎる…」
ソファの上で三角座りをし、顔を膝にうずくめる栄子。
「ほら、栄子ココア冷めるよ?」
テーブルを挟んだ向かいのソファにはそんな彼女の様子を楽しそうに見る秀一の姿。
「ほんっとに…やだ、秀ちゃんてほんっとに最悪だ…」
ぐすんっと鼻をすする。
なぜ彼が楽しそうなのかは分からない。
こっちはのぼせて気絶してしまったというのに…。
「俺だって仕方なくなんだよ?栄子が言うこときかないから。」
ごめんね、と申し訳なさそうに眉を下げるる秀一だったが、思いっきり目が笑っていた。
全然仕方なさそうじゃない、この狐の腹黒さはどうにかならないものだろうか。
栄子はまたあのような事があれば、自分は死んでしまうのではないかと心配になる。
そんな彼女の様子に少し虐め過ぎたかなと、ほんの少しだけ反省してみる狐。
「…栄子は、どっちの俺の方が好き?」
だからどうだというわけではないが、彼女の好きな方を知っておくのもいいかもしれない。
多分秀一の方だろうが、一応参考に聞いてみる。
狐はどっち?と、なぜかまん丸な瞳を向ける栄子に優しく問う。
「…どっちって、どっちも同じ位好きだけど。」
何言ってるの?とばかりの栄子のきょとんとした瞳。
「秀ちゃんは蔵馬で、蔵馬は秀ちゃんなんでしょ?見た目は違うけど、あなたに変わりないじゃない。」
蔵馬の方は秀ちゃんよりエッチだけど…
と最後に小声で付け足す。
意外な答え、いやそう言うかもしれないとどこかで期待をしていた狐。
目を見開く狐に、「変な秀ちゃんだね」 といつの間にか泣き止んだ栄子はにっこりと笑っていた。