君と重ねた恋
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次の日。
「秀ちゃん…今日の帰りマクドおごろうか?」
「いらない。」
「あっ…クレープ屋さんいこうか?」
「一人でどうぞ。」
通学途中。
仲良く?並んで歩く二人には少しの距離が出来ていた。
「朝はまだ涼しいよね。夏が終わると次は秋だね。紅葉見に行かなくちゃ…あっと…」
思わず自分の口に手を当てる。
「……。」
「あ~…紅葉ならここにありまぁす!なんちゃって!」
ふざけて秀一を見て笑ってみる栄子。
が、のってくれない彼に苦笑いになる。
彼の頬には真っ赤なもみじ柄。しかも両頬共。
「だって…あんなことしようとするんだもの。冗談でもやりすぎだよ。」
意外とプレイボーイなんだね、と一言のせて再びふざけてみる。
そんな栄子の様子に秀一は心底面白くなさそうにため息を吐いた。
(今回色んな表情見せてくれたね…)
なぜか得した気分になる栄子。
「…もし、冗談じゃなかったら、どうする?」
少し甘さを含んだ声色で気怠げな翡翠の瞳を向ける彼。
口を開いたかと思うと、これだ。
まだからかいたりないんだなぁ…と栄子は秀一の顔を覗き込む。
「幼なじみを惚れさせてどうするのよ?彼女が出来た時面倒臭いわよ~!」
くすくすと笑いながら話す。
「…彼女とかいらないよ。」
再び、はぁ~とため息をつく。
「またモテ男発言出た~!」
彼女は楽しそうに笑う。
秀一はそんな彼女の表情を見て、複雑な気持ちが少しだけ緩和されていくのがわかった。
仕方ないか…と呆れたように苦笑する。
これが栄子なんだから。
秀一は思う。
昨日はあれで終わってよかったのかもしれない。
あのままだと危険だったと…。
喜多嶋は栄子にどこか似ていた。
だから栄子に重ねていたんだと分かった時には心底自分自身に呆れたものだった。
最低な俺だけど…
ずっと幼なじみ。
それでいいのかもしれない。
だけど…
俺はいつまで耐えられる?
―end―