第15話 黒真珠と血の香り
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梟が鳴く。
風がさわさわと草木を揺らす。
人気のない林の奥にはひとつの影。
「これ、か…」
額の汗を手で拭い秀一は呟いた。
石がごろごろとあるその場所。
すでに昔の面影はない。
地盤が緩いため、土砂災害の被害でも受けたのかと思われる程の荒れ様。
探すのに手間取った。
この俺がこんな事で四苦八苦させられるとは。
その時だった。
自身の妖気が反応する。
この感じは…
「くそ…」
栄子が妖怪と接触した合図。
まさにあいつの妖気。
毛が逆立つ。
妖気が溢れる。
翡翠の瞳が金色に変わるのと同時に秀一…いや、蔵馬はその場から消えた。