第13.5話(妖狐編Ⅱ)
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栄子。
知ってる?
狐はとても欲深いんだよ。
だから諦める位なら始めから欲しがらない
だから狐が我慢するってことは
確実に手に入れる為なんだよ
だから狐は信用しちゃいけないよ?
「霊界?」
「あぁ…やっかいな奴らだぜ。まぁ目つけられても今の霊界の力じゃ俺達を捕まえる事はできねぇだろうがな。」
黒鵺は煙草をふかしながらそこに寝転ぶ。
とても綺麗な夜空。
点々と輝く星達の真下、栄子達は屋根の上でそんな夜空を見上げていた。
「ここは魔界だから大丈夫なんじゃないの?」
「俺たちが自由に人間界を行き来できるように、霊界のやつらも自由に行き来できるんだ。それにここらへんは霊界にも近い場所だしな。油断はできねぇな。」
「ふぅん。じゃぁ場所変えようよ!」
「…おまえなぁ、おまえが人間だから、魔界の奥まで俺達は今行けないんだぜ?」
「なんで?」
きょとんと頭を傾げる栄子に、黒鵺は大きなため息をつく。
「障気が濃いんだ。おまえにあれは耐えられない。」
「ショウキ?」
「この場所は人間界にも霊界にも近い。だから障気も薄いしおまえは生きていられるが、下手なところにいっちまうとおまえは死ぬことだってあるんだ。」
「……私がいるから。」
自分のせいで彼らが危険に晒されてるのだ。
何も知らなかった。
以前の辛かった記憶が蘇る。
自分のせいで死んでしまった彼ら達の顔を思い出す。
そんな栄子を見つめ、黒鵺はあ~と言葉を濁す。
「頭の命令は絶対なんだ。だから気にすんな。て俺が言い出したんだな、すまん!」
「…。」
「それに霊界もすぐには俺たちの足は掴めねぇよ。なんたって蔵馬がいるからな。まぁあと1000年は大丈夫だろ…。」
「せ、1000年!?」
「あぁ、おまえは長生きしても100年かそこらだろ?その間に霊界がどうかできるレベルじゃねぇよ、悪かったな、いらねぇ心配させて。」
「…妖怪って、すごいのね。」
一体寿命はいくつなんだろう。
現在蔵馬はいくつなんだろう。
栄子は疑問に思う。
「……だから」
黒鵺は栄子を見る。
「??」
「蔵馬にとっておまえの存在は限られたほんの少しの間の存在なんだ。」
「……そんなの」
言わなくていいのに。
「だからこそ貴重なんだろ。きっとな。」
「よく…わからない。」
わかることは
一緒に生きていけないということ。
「私は彼の食料だよ。」
へぇ…と黒鵺は目を細める。
「欲しいってゆわれたもの。」
黒鵺はなるほどな、と笑う。
「がきんちょだな、まだまだ。」
「なっ…」
「食われたくなきゃ、人間界に戻ればいい。おまえが決めればいい。」
わかっている。
そんなことわかっている。
食べられたら
もう彼を見れないし
触れられない
だから戸惑う
一緒にいなければいけないはずなのに…
なぜなら、忘れてはいけないから。
秀忠を…
なのに…
一緒にいたいと思うのはなぜ?