第13話 近くて遠い想い
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「いらっしゃいませ、どういったものをお探しですか?」
何かを探してる様子の客に話し掛ける栄子。
リフレッシュ休暇が終わってからとういもの仕事に戻ってきた彼女はいつも以上に元気だった。
「シャツですか…でしたらこれなんていかがですか?デザインも他になくて、品があるのにかわいいしとても女性らしいですよ?通気性もいいですし…なにより-…」
本日は平日の昼間。
客足もさほど多くはない。
だけど彼女はせかせかと今までの分を取り戻すかのように働いていた。
しかし、忙しい土日でもなければセール期間でもなく、平日の昼間。
どちらかと言えば暇の部類に位置する。
ひとたび客足がなくなると、彼女はボーと窓から外を眺めたり何もないところを掃除したりと一人の世界に入る事も多々あった。
「…何かあったの?」
その様子に気付いた中原は、店が一旦静かになると、後ろから声を掛けてきた。
それに一瞬ビクリと肩を揺らすものの、何もないですよーと笑い、止めていた手を動かしシャツを畳みながら答える栄子。
「あらそう?…さっきからおもしろい顔してるから何かあったのかとおもったわ。」
そうくすくすと笑う。
(おもしろい顔…、ですか。)
楽しそうに人の顔を見て笑う中原だったが、栄子の頭の中はそれ所ではなかった為、怒る気にもなれない。
あれから、何度か幼なじみのマンションへ行ったが時間が合わないのか会えず、合鍵を使って部屋で勝手に待つのもさずがに気が引けた。
電話も電源が入っていない。忙しいのだろうか。
あれだけ簡単に会っていた仲だったのに、いざ会いたい時に会えないとこんなにももどかしいものなのかと栄子の内心は複雑ながらも沈んでいた。
「秀一君となにかあったのかしら??」
にっこりと笑い、言わせたいのだろう。
面白そうに自分を見つめる中原。
この人はいつもなぜこんなにも勘が良いのだろうか。
「…なんで秀ちゃんなんですか?」
「あら、勘よ。か・ん…。」
「……」
こんなにも簡単に分かるのか。
思わずはぁ…とため息をつく。
「……怒らせっちゃたんです。私…」
しゅんと肩を落とし俯く。
「あら、あの彼が?…珍しいわね。」
で、何したの??と興味津々で目を輝かせ聞いてくる中原。
「それは…--」
「へぇ…彼がね…」
目を細め楽しそうに栄子を見る。
真っ赤になる彼女をかわいいと思ってしまうのは姉のような気分だからだろうか。
歳の割には初々しい彼女。
恋愛経験も少ないわけではないだろうに、これがわからないとは…
(彼もかわいそうだ事…)
「どうやったら仲直りできるんだろう…嫌われたのかな、やっぱり。電話でないし…」
仲直り。
友達の響き。
彼女にとって彼はまだまだ幼なじみなのだ。
「きっと、怒ってないわよ?」
男になられると困るのだろう。
今までが今までだから。
「本当に、そう思います?」
「えぇ。なんなら彼が帰ってくるまで部屋の前で待ってみたら?それか、彼の会社の近くまで行ってみる??」
「それって…ストーカーみたいじゃないですか?」
「ストーカーじゃないわ、よく知っている幼なじみなんでしょ?」
「まぁ…」
秀ちゃんそう思ってくれているのかな?
と眉を寄せ不安そうに呟く。
「彼の会社の近くにおいしい飲み屋があったわね。…待つついでにそこに行ってみる?」
「ついてきてくれるんですか??」
ぱぁっと明るくなる表情。
犬のように単純でかわいい。
「いいわよ、でも割り勘よ?」
「はい!!あっ…でも、秀ちゃん残業かどうか分からないしもしかしたらただの待ち損になっちゃうかも…」
「ご心配無用よ。数打てば一度位あたるわよ。」
「…なるほど。」
これは何度か行こうというお誘いだろうか。
酒好きの栄子からしたら素敵なお誘いではあるが…
「なら終わったらさっそく行きましょう。」
微笑みそう言う仲原に栄子も頷いた。
仲直り…
その淡い考えを期待して。
何かを探してる様子の客に話し掛ける栄子。
リフレッシュ休暇が終わってからとういもの仕事に戻ってきた彼女はいつも以上に元気だった。
「シャツですか…でしたらこれなんていかがですか?デザインも他になくて、品があるのにかわいいしとても女性らしいですよ?通気性もいいですし…なにより-…」
本日は平日の昼間。
客足もさほど多くはない。
だけど彼女はせかせかと今までの分を取り戻すかのように働いていた。
しかし、忙しい土日でもなければセール期間でもなく、平日の昼間。
どちらかと言えば暇の部類に位置する。
ひとたび客足がなくなると、彼女はボーと窓から外を眺めたり何もないところを掃除したりと一人の世界に入る事も多々あった。
「…何かあったの?」
その様子に気付いた中原は、店が一旦静かになると、後ろから声を掛けてきた。
それに一瞬ビクリと肩を揺らすものの、何もないですよーと笑い、止めていた手を動かしシャツを畳みながら答える栄子。
「あらそう?…さっきからおもしろい顔してるから何かあったのかとおもったわ。」
そうくすくすと笑う。
(おもしろい顔…、ですか。)
楽しそうに人の顔を見て笑う中原だったが、栄子の頭の中はそれ所ではなかった為、怒る気にもなれない。
あれから、何度か幼なじみのマンションへ行ったが時間が合わないのか会えず、合鍵を使って部屋で勝手に待つのもさずがに気が引けた。
電話も電源が入っていない。忙しいのだろうか。
あれだけ簡単に会っていた仲だったのに、いざ会いたい時に会えないとこんなにももどかしいものなのかと栄子の内心は複雑ながらも沈んでいた。
「秀一君となにかあったのかしら??」
にっこりと笑い、言わせたいのだろう。
面白そうに自分を見つめる中原。
この人はいつもなぜこんなにも勘が良いのだろうか。
「…なんで秀ちゃんなんですか?」
「あら、勘よ。か・ん…。」
「……」
こんなにも簡単に分かるのか。
思わずはぁ…とため息をつく。
「……怒らせっちゃたんです。私…」
しゅんと肩を落とし俯く。
「あら、あの彼が?…珍しいわね。」
で、何したの??と興味津々で目を輝かせ聞いてくる中原。
「それは…--」
「へぇ…彼がね…」
目を細め楽しそうに栄子を見る。
真っ赤になる彼女をかわいいと思ってしまうのは姉のような気分だからだろうか。
歳の割には初々しい彼女。
恋愛経験も少ないわけではないだろうに、これがわからないとは…
(彼もかわいそうだ事…)
「どうやったら仲直りできるんだろう…嫌われたのかな、やっぱり。電話でないし…」
仲直り。
友達の響き。
彼女にとって彼はまだまだ幼なじみなのだ。
「きっと、怒ってないわよ?」
男になられると困るのだろう。
今までが今までだから。
「本当に、そう思います?」
「えぇ。なんなら彼が帰ってくるまで部屋の前で待ってみたら?それか、彼の会社の近くまで行ってみる??」
「それって…ストーカーみたいじゃないですか?」
「ストーカーじゃないわ、よく知っている幼なじみなんでしょ?」
「まぁ…」
秀ちゃんそう思ってくれているのかな?
と眉を寄せ不安そうに呟く。
「彼の会社の近くにおいしい飲み屋があったわね。…待つついでにそこに行ってみる?」
「ついてきてくれるんですか??」
ぱぁっと明るくなる表情。
犬のように単純でかわいい。
「いいわよ、でも割り勘よ?」
「はい!!あっ…でも、秀ちゃん残業かどうか分からないしもしかしたらただの待ち損になっちゃうかも…」
「ご心配無用よ。数打てば一度位あたるわよ。」
「…なるほど。」
これは何度か行こうというお誘いだろうか。
酒好きの栄子からしたら素敵なお誘いではあるが…
「なら終わったらさっそく行きましょう。」
微笑みそう言う仲原に栄子も頷いた。
仲直り…
その淡い考えを期待して。