第10話 仲間
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「こんにちわぁ~!」
元気良く扉を開け放つ栄子。
「いらっしゃ~い!!」
中からは待ってましたとばかりに桑原が出迎えてくれた。
「おっ、栄子ちゃん久しぶりじゃねぇか!相変わらず元気だね~」
とまたも頭をわしわしされる。
桑原和馬、彼も幼なじみの友人。
情がとても深くて優しい人。
幼なじみの家で勉強している所を何度か見た事がある。
(なんでこの人たちって皆髪の毛ぐちゃぐちゃにするんだろ…)
「桑原君も元気そうでなによりね!あれ?雪菜さんは今日はいないの?」
「あ~…今日は、ばぁさん所に行ってんだ。」
少し残念そうに話す彼。
本当は一緒に来たかったのだろう。
「そかそっかぁ。」
栄子もここ最近、幻海に会っていない事を思い出す。
本当の祖母のように、本当の孫のように可愛がってくれる彼女に栄子は無性に会いたくなった。
(秀ちゃんの引っ越しがもう少し一段落ついたら会いにいこう!)
「まぁ立ち話もなんだし、中に入ってくれ。」
そう言うと桑原はお茶でもいれるぜっと先に部屋に入っていく。
(ここ秀ちゃん家なんだけど…)
そう思い隣の彼を見上げてみるが、彼はどうしたの?と優しい表情で見返した。
(本当にこのメンバーには気を許してるんだなぁ…)
子供時代、学生時代、彼が本当の顔を見せる人たちはとても少なかった。
だからこそ、この人達と一緒にいる時の秀一は表情豊かで本当の自分をさらけ出せているのが栄子は嬉しかったのだ。
部屋の中では、螢子、桑原がお菓子やお酒をテーブルに出して用意をしている。
螢子に幽助に例の話を言ったなと攻めると、悪びれる様子もなく、だって彼に言うなとは言われてないわっと笑う。
確かに…と納得してしまう栄子は、自分につっこみをいれたくなった。
「家具も綺麗に並んでる…」
部屋を見回しほぅっと息を吐く。
相変わらずセンスの良い部屋である。
運んで飾ったのは幼なじみの友人らではあるが元は幼なじみの物で配置も彼が考えたのだろう。
シンプルだが、品があり気取り過ぎてない部屋。
相変わらず好きなのか観葉植物もちらほらと目立つ。
「中身はまた明日整理するからね。明日になったら部屋の中ぐちゃぐちゃになってるよ?」
放心状態の栄子にくすくすと笑いながら話す秀一。
「じゃあ明日手伝ってあげる。てか秀ちゃん明日仕事は?」
「明日は休みもらってるんだ。それに1日じゃ終わらないよ?ゆっくり時間かけてするから、綺麗なのは今日位。」
「おっけ~!!」
栄子は乗り気に手をあげる。
普段お世話になっている分少しでも彼の力になりたいと思う気持ちと、まるで自分自身の新しい部屋気分にもなっているため楽しみになる。
彼にはいい迷惑だろうが。
「そういえば、彼は?」
秀一が窓の方へ目を向ける。
「さぁな、さっき昼寝してくるとか言ってどっかいったぜ?また夜にでも戻るんじゃねぇか?」
「なるほど、彼らしいな。」
くすくすと笑う秀一。
(彼って誰だ?幽助かな??)