第71話 最終章
夢小説設定
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ひらり
ひらり
温かな日差しに
柔らかな優しい風が吹く-…
桜の花がひらひらと舞うその季節
「栄子、すっごく綺麗だよ。」
真っ白な教会の控え室。
頬を桃色に染め手を当てながら蛍子は目の前の友人の姿を見て感嘆の息を漏らす。
嬉しい反面どこか悲しい気持ちになるのは仕方ない事でそれでも確実に前者が勝っている。
「ほ、ほんとに?変じゃない?」
そんな蛍子を見上げるのは、椅子に腰掛けている栄子だ。
彼女は眉を寄せるも、恥ずかしそうに頭の飾りを触る。
結い上げられた髪につけられた白いベールが開いた窓から入る風で揺れる。
「私…めちゃくちゃ緊張する。どうしよ、笑えない…。」
「大丈夫よ、いざとなったら大丈夫。私だってものすっごく緊張したもの。」
がんばれ!!とふんっと両手でガッツポーズをする蛍子に両頬に手を当てる栄子。
「恥ずかしい…私、すっごく恥ずかしいわ。蛍子…私鼻血出そう。」
「こらこら、涙は良いけど…血はだめよ?」
それにくすくすと笑う蛍子。
そして…
そろそろ出番ね、と笑みを浮かべた。
人間界に戻って数年。
父親に手を引かれ扉の前に立つ。
開く扉-…
差し込む光-…
(…私は今日-…)
「おめでとう!!!栄子!!!!」
「綺麗よ~!!!おめでとう!!!!」
チャペルに入ればお祝いの言葉の嵐。
友人達の祝福の言葉と拍手に囲まれ、恥ずかしいながらも嬉しい気持ちに思わず顔が緩む。
(浅野栄子、私は今日結婚します!!)
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