第64話 独占欲と愛情
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(最悪だ…。)
タオルで鼻を押さえ、とぼとぼと上を向きながら廊下を歩く栄子。
大会も終わりそうそう城内で誰かに会うことも無い為、彼女は医務室に向かって歩いていた。
鼻血のおかげでダンスレッスン他?は中断された。
血が止まるまで部屋で休んでいけと言ってくれた飛影だったが、ただでさえ色々迷惑をかけているのに、これ以上迷惑をかけられないと思い、彼の部屋を後にした(今更だが-…)。
自分の部屋が近い為、自室で休もうかと思った栄子だったが、運悪く清掃中だったため医務室に向かうことにしたのだ。
(止まってきたかも…)
首の後ろをとんとんと叩く栄子。
その時だった-…
「栄子…」
どきりと心臓が跳ね上がる。
良く知る甘い声に響き…
背後から掛かるその声に栄子の体はただただ硬直する。
「どうかした?」
栄子の前に回る彼。
彼女の様子を見るなり「え?」と少しばかり驚いた様に翡翠の瞳が微かに見開く。
「ちゅ、ちゅう…ちゃん…」
「鼻血??」
「!!!!!!」
それに一気に恥ずかしくなり真っ赤になる栄子。
(やっぱり飛影の部屋にいればよかった!!!!)
「栄子、飛影の部屋にいた、よね?」
探るように翡翠を細め目の前の彼女を見据える秀一。
それにこくりと頷く栄子。
「………。」
「医務室に、いこうきゃと…」
「……そう。」
微かに微笑む秀一。
そして、次の瞬間栄子の体が浮遊感に包まれる。
「きゃっ…」
「ちょっと我慢して。」
抱えられる栄子。
間近で見下ろされる翡翠に、栄子の心臓が大きく脈打てばさらに赤くなる。
「は、はなじ、またでる…」
ぐっと強くタオルを押さえつける栄子に、苦笑する秀一だった。
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