第60話 居場所Ⅱ
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盟王高校に入学してから始まった幼なじみの観察。
相変わらず、自分の知っている秀一と変わりないその様子。
それは蔵馬だからか…
それとも本来秀一事態がそれだけのものを持っているのだろうか。
じっと見つめる。
「…なに?」
「いや、観察を。」
「大胆だね、栄子。」
「!!!!!」
気付けば学校の男子トイレに入ろうとする彼の跡を付いてきていた栄子。
「ご、ごめんなさぁい!!!」
真っ赤なる栄子はきゃぁ!!と逃げて行く。
その後姿を見て苦笑する秀一…、そしてそんんな二人の様子を見る女子生徒達の-…
「何、あれ?」
「ちょっと幼なじみだからってうざくない?」
嫉妬の声と視線だった-…
*************
アルバムにあるのは幼い私達。
居間でアルバムを開けていれば、母親が後ろから覗き込む。
「珍しいの見てるわね。あなたたちって本当に小さい頃から仲がいいわよね。」
母親はとても嬉しそうに笑う。
「…本当?ずっと仲が良いの?私達。」
こちらの自分と彼の仲は知らない。
もちろんお隣で仲が良いのだと分かるものの、それもどこまでのものなのか…
過去に行っていない私は蔵馬にあってはいない。
ならば秀一が例え蔵馬だとしても私と会うのは人間界のここが初めてになる。
娘のそんな言葉にきょとんとする母親。
彼女は一瞬目をぱちくりするものの、次の瞬間噴出したかのように笑う。
「何言ってるのよ。あなたなんか生まれた時から秀一君に懐いて大変だったのよ?まるで本当の兄妹の様に昔から今も私から見たらすごく羨ましい関係だけど。」
「……ふーん…。」
(関係はこっちでも変わらないんだ…)
「将来、栄子と結婚してくれたらいいとどれだけ思うか…。」
「はぁ?…いやいや、それは…」
「ないわよねぇ、だって完璧兄妹みたいだもんね。」
「……そう、だよね。」
それが私が昔から…望んでいた関係。
なのに、少し胸の奥が痛んだ気がした。
その理由はもう十分、分かっているのだけど…
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