第5話 出会い
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栄子は仕事の帰り道、本屋に立ち寄った。
目的のジャンルを探す。
通り過ぎる…
週刊誌
娯楽雑誌
単行本、小説
食生活
ダイエット
そして、曲がった先に探していた物を見つけると、栄子はそこに並んでいる本を真剣に一通り見た後、一冊の本を取りパラパラと目を通し足早にレジに向かう。
男性の店員に少し気まずくなるものの、関係ないわ!と胸を張り会計を済ませる。
店を出ると買った本の袋をぎゅっと胸元に押さえつけながら、足早に岐路に向かう。
(早くかえらなくっちゃ!!)
そう思った矢先…
「すみません。ちょっといいですか?」
後ろから声をかけられ、振り向くとそこには茶髪の若い男の子がいた。
「…なにか?」
「お姉さん、いつもこの道歩いて帰りますよね?」
(なに??ストーカー??)
「あっ…いや、そんな顔しないでください!怪しくないですから!!」
栄子の表情を読み取ったのか慌てて手を振る。
「……。」
「あっあのですねぇ…」
男の子は顔を赤くし、しどろもどろになっていく。
(なにこれ…。これって…)
「俺!ずっとおねえさんの事見ていました!!いきなりなんですけど、友達でいいんでなってください!!お願いします!!」
彼は真っ赤になりながら叫ぶと頭を下げて手を前に出す。
周りはざわめき、、栄子は真っ赤になりながらあたふたする。
(まっまじ!?やばい…嬉しいけど…)
「あっあの、ここ目立つから…」
このまま彼の誠意を無視するのもどうかと思う、かといって今ここで話すにしても周りの視線が気になる。
「あっす、すみません!!俺…」
真っ赤な顔で恥ずかしそうにする様を見て、栄子は思わず笑う。
(一生懸命で、かわいいなぁ…)
そんな事を思ってしまうのは、失恋の後だからだろうか。
純粋な仕草に新鮮味を感じてしまう。
「ちょっとだけ、いいですか!?…って俺かなり怪しいですよね?怪しくないとか言ったけど…。あぁ、かっこわる…。」
がくっとその場に肩を下ろす少年についに栄子は声を出して笑ってしまった。
少年はそれを見るとますます赤くなるものの、少しほっとした様子で、立ち話もなんですから道の端にあるベンチに座りませんか?と提案してくる。
(まぁ、悪い子ではなさそうだし…。ちゃっかり私癒やされちゃってるし…)
栄子は話す位ならいっか。と軽く頷いた。