第51話 幸せの欠片達
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-霊界・地獄-
地獄の門に立つ大きな鬼が二匹。
「知ってるかぁ?最近魔界が酷く荒れてきてるって噂。何の為の統一トーナメントだかわかんねぇな…。」
地獄の門に凭れながらも曇った空を見上げながら笑う緑の鬼。
それに隣で煙草をふかす黄鬼も賛同する。
「違いねぇぜ。魔界の大会がなくなっちまったっていう位だもんな。…霊界にとばっちりこねぇか心配だぜ。」
「とばっちり?来るわけねぇだろ?霊界と魔界はしっかりと契約をしてんだぜ?もし霊界に害が及びそうな時は魔界がしっかり守ってくれるぜ。契約違反をしない限りは仲良しなお友達ってわけだ。」
ありえないとばかりに緑鬼は黄鬼を見て首を振る。
「そうだよな…いくら魔界が荒れてるからって霊界にまで来ないよな。…あ、そういえば、この前来た新人の奴、魔界出身だって言ってたよな?あれって逃げてきたとか??」
「…そういうのじゃねぇだろ。たまにいるじゃねぇか、地獄の門番になりたがる奴。しかし、あれはついてねぇ奴だったな。入社初日に上司の金鬼怒らせて門番は門番でも最下層の番人任されるとはな。あんな所に所属されたとあっちゃぁ簡単に話にもいけねぇよ…。おっかなくて。」
と、緑鬼は肩をすぼめる。
「確かに、番人なんて俺達鬼にとっちゃこの上ない昇格だが、最下層の番人となっちゃ降格もいいところ…いや、降格なんて言葉は甘い、あれは地獄だ。」
「あぁ、前に居た奴だって今は入院中だしな。最下層の瘴気ってのは本当にやっかいだな。」
本来鬼は力もあれば、それなりに体も強固に出来ている。
だからこそ地獄の瘴気にも耐えれるはずなのだが…最下層の瘴気は地獄の瘴気の分類に含まれるものの質は大きく異なる。
鬼ですら、魔界の住人ですら最下層の濃い瘴気に耐えうる者は少ない。
「新人の奴、どんだけもつんだろうな。」
「賭けるか?」
「…俺は三日だ。」
「なら俺は一週間。なかなか肝の据わってそうな奴だった。」
「そうか?若そうだったし、あれはずぐへこたれるぜ?」
笑い合う鬼達。
霊界は穏やかでとても平和な時間が流れていた。
「…兎の世話の方がましかもな…。」
「あん?なんだって?」
「いや、なんでもねぇ。」