第48話 代償の大きさ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
魔界統一トーナメント…
予選会場で起きた事件は、本部へ報告され一時中断となった。
選手でない妖怪の乱入、そして選手だけでは飽き足らずそれ以外の者さえも手にかけた残虐性。
事態が収拾するまで、休戦となったそれは選手達に大きな混乱を呼んだ。
「どうなってるんだ?」
「事故なんて魔界じゃめずらしくもねぇじゃねぇか。一暴れしたい奴がいただけじゃねぇのか?」
それもそうだと笑う妖怪達。
「でも、躯のエリアだったって話だぜ?」
「命知らずな妖怪だな。」
「本線を控えた選手も、何人かやられてるらしいぜ?」
「本線行ける奴なんて躯や黄泉レベルだろ?それを倒すって-…すごいんじゃないか?」
「噂だと変な術を使うらしいぜ?」
試合はしばらく中止だというのに、待機室にはここぞとばかりの野次馬。
妖怪達の会話が耳に痛い。
あのエリアの事件は鴉という男の招いた事…
だが-…
「こんな所にいたの。」
優しい声が背後から耳に入る。
振り替えった先にいるのは、探したよ…と、困ったように苦笑する幼なじみの姿。
「……。」
「また抜け出して…まだ部屋で寝てなくちゃだめだよ?」
「…うん。」
前回の事件後からさらに優しくなった彼。
色々気を遣ってくれているのだと分かる、そして監視?されている様な気がするのは気のせいだろうか。
「…躯さんの調子は?」
「まだ体しびれてるみだいだよ。彼女が毒に耐性無い事に驚いたよ。」
「……そうだね。」
毒…そういう事になっている。
彼女は島に生息する毒性の強い花の花粉にやられた、と。
そう彼は『意識の戻っただろう私』に説明した。
『何も覚えていない』
そういう事にしている。
躯のエリアに行ったまでは覚えているが、それ以降は気がつけばベットに寝ていた…と。
「そういえば、栄子、本借りたいって…何の本?」
「まだ決めてない。このままだと暇になりそうだから…何冊か秀ちゃんの部屋で選ばせて?」
困ったようにそう言う栄子。
忙しいときは寝るも惜しんで忙しいくせに、暇なときはとことん暇になりそうで困る。
だから…そういう理由にしている。
「了解、なら行こうか。」
「…うん!!!」
微笑む彼に微笑み返した。