第46話 魔界統一トーナメント戦・続
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-霊界-
雨が窓を叩きつける。
大きなガラス張りのそれにコエンマは険しい自身の顔を映し遠くを見つめる。
「コエンマ様…。」
彼の後ろに映るのは心配そうに彼に視線を向けるぼたんの姿。
先程まで寝込んでいた主は、未だ顔色が悪い。
「ぼたんよ、最下層で渦巻いとるのは…呪いだ。」
「…呪い、ですか?」
「禁術を使う者、使われた者が多く最下層に送られる訳が分かるか?それだけ危険だからだ。浄化することが出来ない魂は、引きずる込まれればまた闇と化し力が強まっていく。だから最下層に足を踏み入れるのは危険なのじゃ。」
蠢く憎悪と歪んだ空間に死霊の声は永遠に木霊する最下層。
覚悟を決め足を踏み入れれば、闇が自身を引きずり込む。
青鬼にさずがに行かせるわけにはいかないと踏んだコエンマは結局一人で挑んだ。
それでも、正常な意識を持っても一瞬で支配されそうなそれにどれだけの身を守る術を考え挑んだ事か。
そこにあるのは呪いと憎しみ。
そして、心が一瞬で壊れしまいそうな悲しみ…
精神が崩壊する一歩手前で、霊界特防隊に助けられたものの、正常な自身に戻るのに三日かかったとはいうまでもない。
歪んでしまった理。
それゆえ年月を経て成就された呪い
見上げた窓越しの空は酷く暗い。
雲に覆われ窓に流れる雨粒はいつにも増して激しい。
「コエンマ様…栄子ちゃんは-…」
後ろのぼたんはどうやら栄子という人間が異様に心配でいるらしい。
「ぼたんよ。栄子とやらはただの人間に違いないのだな?」
「はい、どう調べても普通の人間です。」
「……ならば、近々裁くときも来よう。」
「!!?…ですが!!!!」
「蔵馬のやつがそうさせてくれるかが、問題だがな。」
振り返った主にぼたんは眉を寄せる。
自分の事ではないのに人の気持ちを分かりすぎてしまう霊界の長。
痛みに歪んだそれにぼたんはただ頭を垂れるしかなかった。
「時代を超えて成就した呪い故、か。それにしても-…」
未だすっきりしない思考を巡らせ、コエンマは目を伏せた。