第44話 重ならぬ想い2
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
狐はもう分かっている
俺の厄介な面倒な想い
認めたくない…必要のない感情…
お前にぶつけることできっとこれは解放される-…
**********
邪眼で見つけた氷河の国。
もう復習なんて気はさらさらなかった…
氷河の国の女達はどこか暗くて陰湿で殺す気も失せた。
そう目の前の少女に言えば彼女は一瞬切なげに、そしてどこか悲しそうに微笑んだのを今でも覚えている。
何が言いたい…
それに若干の苛つきを感じつつもそれ以上は聞かなかった。
どうせこいつに俺の気持ちも思いも分かるわけもない、そしてこの生い立ちも自分で哀れだとは思わない。
だからこそ培ってきた力もある。
決められた生き方の様に見えて全て自身が望んだ生き方だ。
だから-…
『私、飛影と会えて嬉しいよ。』
去ろうとする俺の腕を掴み、少し照れながら言う彼女の言葉が予想外で…
『飛影のママはすごく飛影の事愛していたんだね。本当に自分が死んじゃってもいい位…。』
と少し寂しげに瞳を揺らすので逆にこちらが驚いたのを今でも覚えている。
甘えたな女だな…
温室育ちの少女に分かるものではない。
生まれた時から呪われ忌み嫌われた身。
だが…
『私もお墓で挨拶したかったな。』
今まで誰が言ってくれたか…
『飛影を生んでくれてありがとうって!!』
満面の笑みで言ってくれた彼女がなぜか異様に眩しかった。