第41話 予選の合間
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「そういえばおまえは人間の女と結婚するんだったな。」
「あ?なんだよ、いきなり…。」
いきなり話変えんなよ…と幽助は酒を注ぎぐいっとそれを仰ぐが…
「子はいつ生まれる?」
ぶー!!!と一気に酒が吹き出る。
「な、なに言ってんだ?おめぇ…。」
真っ赤になる幽助。
酒でそう赤くならない彼が今の黄泉の発言で一気に茹蛸の状態だ。
「別に変な事ではあるまい。夫婦になるのだ、あたりまえだろう?」
確かにそれもそうだ…
だが、まさか黄泉とそんな話をする等と思っても見なかった幽助は少しばかり戸惑う。
そんな彼を見て、まだか…と、微笑む黄泉だったが、そんな彼の表情が少し強張り幽助を静かに見据える。
「分かっていると思うが、おまえの子供は人間にはなれんぞ?」
「…そう、だろうな。」
俺魔族だしなと頬を掻く。
「一応覚えておくがいい。半妖は妖怪側の親の遺伝が強い。おまえの子ならば問題ないだろうが…。妖怪の知性、能力が低ければ低いほど生まれる子は危険児が多い。」
「危険児…。」
「危険児と言っても、人間界で言うものとは違う。…一番多いのが、精神面だ。」
精神面。
それは人と物の怪の狭間で揺れる精神面の不安定さ。
強い妖怪の子なら精神は妖怪のものを色濃く継ぎ純粋な妖怪へと変わって行く者も少なくはない。危険児は常に不安定な精神の狭間で苦しむ。
人には恐れられ、妖怪には蔑まされ…
どちらにも寄ることはできない。
精神は崩壊へ導かれ、葛藤の末その苦しみに死に至る半妖も少なくはない。
「次に寿命。短命が多いと聞く。」
「……。」
「別に遺伝子をコントロールしてもいいとは思うが…お前の父親がやったように。そうすれば確実に心配はいらんぞ?」
「…そんな面倒な事できっかよ。」
第一そんな事どうやるかもしらねーし…と怪
訝そうに目を細める。
「女を妖怪にすれば全てうまく治まるのにな。残念だ。」
その言葉に大きく目を見開く幽助。
「…人間が妖怪になるって、そんな方法あるのか??」
以前、飛影が持っていた降魔の剣を思い出す。あの頃、蛍子は一時妖怪になりかけた事があった。
「…妖怪と言うには語弊があるか。…永遠に近い命を授かり、尚簡単には死なん。」
「……。」
「それだけでも子はまともだ。そして、女も死ぬことはない。」
「…それ、蔵馬も知ってるのか?」
それにくすりと黄泉は微笑む。
「あぁ、だが今の魔界ではもう不可能だ。それを培える物自体がすでにない。」
「ない?」
「永遠の命は魔界の海に住む『人魚の肉』が必要なんだ。」
遠い昔に絶滅した種族。
「おまえも見ただろう?魔界の海の現状を。」
海が酸に侵されなければ生きていたのか
なぜ酸の海と化したのか-…
そう、生きてさえいれば。
きっと狐も迷わなかった。