第31話 リング
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次の日-…
「本当に…本当に、どれでもいいんですか?」
キラキラと光る栄子の瞳。
「あぁ、好きなものを選べ。」
目の前に広げられた品々は躯への各国の使者や客達からのプレゼント。
栄子は、それの前に膝を付きしゃがみ込む。
宝石のあしらわれた壷や、輝かしいアクセサリー達…
そして、沢山の書物…
「本をもらうあたり躯さんらしいです。」
「俺が欲しがったわけじゃない…。」
それでも、結局読まずともちゃんと残しとく彼女。
「どれにしようかな…。」
口元に手を当て、頬をピンクに染めながら迷う栄子。
「こいつには菓子でもやったほうが喜ぶぞ。」
扉が開いたと思いきや、飛影が呆れた様子で言葉を投げ掛け入ってくる。
「…飛影。ノックくらいしろ。」
「フン、今更だな。」
愛用の剣を壁に立て掛け、飛影はソファに腰を降ろす。
「へぇ、そこ飛影の席なんだ。」
(…なるほど、だから奇琳さん、ずっと立ってたのね。)
躯のソファとは少し離れた所にあるそれはどうやら彼専用らしい。
「…て、私お菓子で喜ぶ程子供じゃないし!!」
飛影に言われた言葉を思い出し、叫ぶ。
「よし…これにしよ!!」
コーヒーを飲む二人に「これにする!!」と自身の手を上に掲げる。
「…指輪、か?」
躯はどれどれと彼女の側にいきそれを覗き込む。
「へへ、指輪系のアクセサリー持ってないの、だから欲しかったんだ。」
嬉しそうに笑う栄子に、飛影はほう…と目を細める。
「菓子よりもか?」
「飛影の馬鹿!!」
「…おまえ、こっちのネックレスなんかの方がいいんじゃないか?それか、これなんかどうだ?」
躯が栄子にネックレスと小さな小瓶を渡す。
「今更です、それに選んでいいっていったの躯さんですよ?」
「良く聞け、その指輪は何の効果もないただの飾りの宝石だ。魔石でもなんでもない。」
「普通でいいですって。」
ならなぜ選べと言ったのか…
「このネックレスなんかは色気を出してくれる魔石が付いてるぜ?それにこれは魅力薬だ…。」
「そりゃいい、利口な物をもらえ栄子。」
飛影も賛同する。
何が利口なのか…
実際惹かれないわけではないが…
「これでいいです!!」
「一生を考えて言ってやってるんだ、俺は。」
そんな躯はどこか楽しそうだ。
何が一生だ。
一生、色気がない、魅力がないと思われてるのか…
それかそれを頼らなければ結婚も恋愛もできないぞと、遠まわしに言われているのだろうか。
「間に合ってます、べーだ!!」
舌を出す栄子に、ほう…と目を細める躯、それになんとなく嫌な予感を感じる。
「勝手にさせてやれ。色気がない位で死にはせん。」
飛影はやれやれと目を瞑る。
「ひど…」
ないって言われた。
言われ慣れているものの、改めて言われるとショックだ。
しかも、男の子から…