第24話 偽想
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「機嫌を直せ、そう睨むな。かわいい顔が台無しだぞ?……ぷっ…」
そう言いながらも、思い出し笑いをする彼女に栄子は不機嫌そうに目を細める。
「そんな事言っても無駄ですよ!」
「あはは、おまえ本当にかわいいな。どうだ?俺の側室にならないか?」
「側室とか、おかしいから!!」
彼女はどこまでも自分をからかいたいらしい。
どうして自分の周りにはこうも似たような人種が集まるのか…
真っ赤にある栄子を見て、面白そうに目に涙をためて笑う。
(く、くやしい…)
「まぁ、あれだ。さっきはせわしなくて悪かったな。」
「…もう、いいですってば…。」
さんざん笑っておいてこれだ。
トーナメント前になると沢山来る躯の客。
客の種類はさまざまで、一緒に試合をする仲間達もいれば、ただ余興の為に招待する客、そして、今日の様に躯が魔界を統一した暁には…と彼女に気に入られようとやってくる客。
様は挨拶がてらごまをすりに来ているというわけだ。
本日、栄子はそれに紛れていたわけである。
「おまえが来た時はびっくりしたぞ。俺の後ろにいた奇琳なんか、それまではずっと気を張っていたのにおまえが現れた時のあの呆れた顔といったら…」
「後ろだったら見えないもん!!」
「あぁ、言うの忘れていたな、俺には背中に目があるんだ。」
「え…ま、まじ?」
「ふふふ、嘘だよ。」
「……。」
「で、そもそも何の用事できたんだ?…ん?」
元は報告だけのつもりが、いつの間にこんなにややこしい事になったのか。
栄子は楽しそうに笑う自分の雇い主?を見て、大きく息を付いた。