第24話 偽想
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手から出る青いオーラは、目の前の傷付いたウサギを優しく包み込む。
「…栄子様。」
「うん…」
額に緊張の汗が滲む。
栄子はウサギの回復を祈り瞳を強く閉じた。
青いオーラは彼女の霊気。
包み込むそれらは徐々にウサギの体に馴染むように消えていく…
虫の息だったそれは、息を吹き返すと小さな赤い瞳をぱちくりさせ起き上がる。
顔を合わせる二人。
「やったぁ!!出来たぁ!!」
両手を挙げ喜ぶ栄子に、おめでとうございます、と嬉しそう微笑むルナ。
既に大会一ヶ月前を切ろうとしていた最中、やっとの思いで治療を成功させることが出来た彼女。
自主トレーニングも兼ね、躯にも何度か付き合ってもらい得たこの治癒の能力。
「あとは、それを応用に怪我によって治癒の霊力濃度のコントロールに、外的障害と内的障害によっての使い分け、ですね。とりあえず数をこなして今は慣れていくしかないです。」
「わかりました!リーダー!!」
額に右手を添え、嬉しそうににっこりと笑う彼女に苦笑する。
「元気だこと。」
くすくすと笑うリーダー。
へへへと照れたように笑う彼女。
向かった先は躯の部屋。
いつものようにドレスに着替え、足早に彼女の元へ向かう。
しかし、行く手を遮ったのは、驚くほどの人だかり。
彼女の部屋から連なる人人人…否、妖怪妖怪妖怪。
何の列なのか。
何も聞いていない彼女は首を傾げながらも、律儀にそれに並んでみる。
長い長い待ち時間の末、やっとの思いで付いた躯の前。
躯は栄子の顔を見るなり、一瞬ぽかんと口を開けるものの、次の瞬間腹を抱えて笑い出す。
「おまえ、なんで並ぶんだ…、普通に入って来いよ。くくく…どれだけ、並んだんだ?」
目に涙をためて言う彼女。
「一時間、位…」
次の瞬間、大きな口を開いてさらに爆笑。
「躯さん…」
何か変だったか…
それだけ面白そうに笑われるような事をしたのだろうか。
栄子は、笑いすぎです!と唇を尖らせる。
悪い悪いと謝る彼女だったが、顔を上げ栄子と目が合うとまたもや、ぶっと吹きだす。
「~~~~!!!」
「おまえ、最高!!」
ケラケラと笑う躯に、栄子は頬を膨らませた。