第22話 海の底まで
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飛影は彼女の部屋にいた。
彼女の両親にはまだ何も告げてはいない。
それは、狐がまだ確実ではないとあのあと力なくだが、そう呟いたからだ。
呟いた後、狐は姿を消した。
飛影はその後、あきらめきれず邪眼で何度も彼女を探すが、結局始めと何も変わらず見えるのは闇だった。
ごろんとベットに横になる彼。
香るのは彼女の香り。
甘い彼女独特の香り。
こうなると、わかっていたら…
飛影は唇を噛締める。
(わかっていたらどうだというのだ…)
結局こうなってからでしか、この後悔は出てこない。
その時だ。
「飛影!!!!」
名を叫び、勢い良く窓から入ってきたのはぼたんだった。
「…今はお前の話に付き合ってられん。」
起きる気配もなく、目を瞑る。
早く帰れとばかりに背中でそれを語る彼に、ぼたんは気にすることもなかった。
「書庫が…!!禁術の本が全部ないんだ!」
「……。」
(おまえらの警備が甘いからだろ…。)
「隠し書庫にあった禁術の本も全部!!飛影知らないかい!?」
「……蔵馬には聞いたのか?」
隠し書庫があったこと自体知らなかった飛影。
ならば、少ないと思われていた禁書も実は多かったのではないかと改めて知らされる。
そして、なぜ自分に聞くのか。
「蔵馬は連絡が取れないんだ。……それに-…」
「……。」
「隠し書庫には何重にも鍵や仕掛けがしてあって、コエンマ様でさえ開けれないものなんだ。一歩間違えればどんな妖怪でもその場でお陀仏。そんなもの…」
「……蔵馬を疑っているのか?」
飛影は起き上がりぼたんを睨む。
「あ、いや、そういうわけじゃないんだわさ。飛影なら、蔵馬と仲良いから…」
どうみても疑っているとしかとれない言動。
しどろもどろになる彼女に飛影は背を向け、窓に手をかける。
「あっ…、ちょ、ちょっと待っとくれよ。これは霊界と魔界の規約にも関係していて、もし蔵馬だったらこれは大問題-…」
「なら霊界探偵だった幽助に助けてもらうんだな。」
飛影が協力するわけもなかった。
蔵馬であればなおさらだった。
狐の目的など一つしかない…。
彼は窓から外に出ると、ぼたんの声を無視して屋根をつたっていく。
向かう先は決まっていた。
「馬鹿狐め…。」
ちっと舌打ちをする彼。
(霊界に追われるなら付き合ってやる…)
飛影は邪眼を開け狐の居場所を探る。