第17話 過保護な奴ら
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ホテルの一室では、ベットに横たわる首から上のない女の裸体。
白のシーツは見る見るうちに赤くそまっていく。
シャワーの音が鳴り止むと、バスルームから出てくる黒い長髪の男、鴉。
バスローブを羽織った彼は、気だるそうにソファに腰を下ろすと、テーブルにあるワインをグラスに注ぎ、それで喉を潤す
「…やはり、あいつの方がよかったな。」
ベットに目を向け呟く鴉。
その場の欲だけを満たすために先ほど声をかけた女。
すでに顔は覚えてもいない。
おそらく栄子に少しは似ていたのだろうと、それだけだ。
鴉は先日の事を思い出す。
殺してしまったのは惜しかったかもしれないな。
彼はそう思う自分自身に笑う。
後悔するなど珍しい。
対して興味もなく、一緒にいて楽だった女。
だけど、彼女の顔は今でも覚えている。
元々、だいたいの女は生贄にするか、自身の欲の対象になるか、どちらにせよ最終的には殺していた。
唯一、殺したにせよ長く時間を共有した女だった。
(今となっては、俺のきまぐれだな。)
栄子を探してたとはいえ、出会い生かしていた事さえありえない事だった。
あの時はよはど自分の機嫌がよかったのだと思っていたが…
「まだ、間に合うか…。」
鴉は瞳を伏せると、なにやら唱えだす。
魂はすぐには霊界には上がらないのだ。
49日間現世を彷徨う。