I
Name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
神羅の作戦通り陽動は成功して、タンブリン砦の警備は手薄になっていた。それでもかなりの数はいて、二人で相手をするのは大変だ。
私は、刃に梅の花があしらわれた脇差 を片手に、どんどんウータイ兵を切り倒していく。
「ナマエって、すっげぇ強いんだな! もしかしたら、一般兵より強いんじゃないか?」
「そんなことないよ? この刀が好きなだけ。力も全然ないし、よく先輩に動きが遅い!って怒られるんだから」
「恐ろしいなタークスって……」
ザックスの後ろをついて行くと、突然壁からウータイ兵が現れた。一瞬冷や汗をかいたが、結果的に私とザックスで挟み撃ちにできたのでむしろ幸運だ。
「回転扉だ!」
「卑怯なこって!!」
私がなんとか一人を倒し終えた頃、ザックスは既に二人始末していた。やっぱりソルジャーって強い。
それにしても、ソルジャーはどうやってここまで強くなるのだろうか。レノさんは、特別な手術を受けていると言っていたが、はたしてそれは本当なのか。いつものように、私を怖がらせようとして言っているだけなのかもしれない。
「回転扉も調べないといけないみたい」
不自然に区切りがついていている壁は、ほぼ回転扉である確率が高い。
先ほど敵が飛び出してきた壁を押してみると、やはり扉がくるりと回転して、向こうの通路と繋がった。
そして、向こうで待機していた敵も同時に襲いかかってきた。
「わんさか出てくるな」
押し寄せてくる敵をなんとか倒し、砦の内部を目指していると、ザックスの携帯電話に連絡が入った。
「はい、ザックス」
タークスは少数精鋭であるため、基本的に各々が自分の意志で任務を遂行するのだが、ソルジャーの任務では、ラザード統括が全ての指揮系統を担っているらしい。
ちょうど今、ザックスの携帯電話に連絡を入れたのは、そのラザード統括だった。
裏を返せば、ラザード統括がいなくなったら統率が取れなくなるということではないのだろうか。
「敵を殲滅したら、砦の内部に侵入してくれ、だってさ」
「よし、じゃあ行こうか!」
砦内部へ繋がる扉を開くと、少し開けた場所へ出た。そこでは全く敵が見当たらなくて、どんどん進んでいく。しかし、突然敵がいなくなるなんて、なんだか不自然で。
「ひとーつ、人より修行は苦手」
突然聞こえてきた、まだ幼い少女の声に、私たちは驚いた。
「なんだぁ!?」
「ふたーつ、ふるさとウータイを守るため」
今まで誰もいなかったはずなのに、闘技場へと続く階段の上に、ウータイの少女が立っていた。
「みっつ、醜い神羅のソルジャーを成敗してくれよう!」
もしかして、タークスの私もソルジャーだと思われてるのだろうか。どっちにしろ、神羅の人間であることには変わりはないけれど。
「女の子……?」
「危ないぞ。さっさとうちに帰れ!」
「これ以上進むって言うなら、アタシを倒しなさい!」
少女が、ザックスに向かって拳を振り上げ殴りつけて、回し蹴りをした。
「シュシュシュッ! どうだ、まいったか!」
まさか、その女の子を殺しちゃうんじゃ……!
私はそう思って、見ないように顔を手で覆うと、ザックスの叫び声が響いた。
「うおー!いってー!!」
そして勢いよくばたん、と地面に倒れ込んだ。
良かった。あの子を傷つけないように、演技でやられたフリをしているんだ。
ザックスって、すっごく優しい人なんだ。これも報告書に書いておこう。
「お前もだ!」
ウータイの少女は、勝ち誇った顔で私にも向かってきた。弱々しい拳で殴られる。
「やられたぁ~……」
同じようにやられたフリをして、私も地面に転がった。
「これがアタシの実力! ウータイの平和は、アタシが守る!」
そのまま少女はどこかへ走り去ってしまった。私たちは、完全にいなくなったことを確認してから立ち上がった。
「やれやれ、元気な子だな」
「私、ひやひやしちゃった。もしザックスが、あの女の子殺しちゃったらどうしようって……」
「俺をそんなにひどいやつじゃないぞ!?」
「ふふ、わかったよ」
気を取り直して階段を上り、ようやく闘技場の前に辿り着いた。
私は、刃に梅の花があしらわれた
「ナマエって、すっげぇ強いんだな! もしかしたら、一般兵より強いんじゃないか?」
「そんなことないよ? この刀が好きなだけ。力も全然ないし、よく先輩に動きが遅い!って怒られるんだから」
「恐ろしいなタークスって……」
ザックスの後ろをついて行くと、突然壁からウータイ兵が現れた。一瞬冷や汗をかいたが、結果的に私とザックスで挟み撃ちにできたのでむしろ幸運だ。
「回転扉だ!」
「卑怯なこって!!」
私がなんとか一人を倒し終えた頃、ザックスは既に二人始末していた。やっぱりソルジャーって強い。
それにしても、ソルジャーはどうやってここまで強くなるのだろうか。レノさんは、特別な手術を受けていると言っていたが、はたしてそれは本当なのか。いつものように、私を怖がらせようとして言っているだけなのかもしれない。
「回転扉も調べないといけないみたい」
不自然に区切りがついていている壁は、ほぼ回転扉である確率が高い。
先ほど敵が飛び出してきた壁を押してみると、やはり扉がくるりと回転して、向こうの通路と繋がった。
そして、向こうで待機していた敵も同時に襲いかかってきた。
「わんさか出てくるな」
押し寄せてくる敵をなんとか倒し、砦の内部を目指していると、ザックスの携帯電話に連絡が入った。
「はい、ザックス」
タークスは少数精鋭であるため、基本的に各々が自分の意志で任務を遂行するのだが、ソルジャーの任務では、ラザード統括が全ての指揮系統を担っているらしい。
ちょうど今、ザックスの携帯電話に連絡を入れたのは、そのラザード統括だった。
裏を返せば、ラザード統括がいなくなったら統率が取れなくなるということではないのだろうか。
「敵を殲滅したら、砦の内部に侵入してくれ、だってさ」
「よし、じゃあ行こうか!」
砦内部へ繋がる扉を開くと、少し開けた場所へ出た。そこでは全く敵が見当たらなくて、どんどん進んでいく。しかし、突然敵がいなくなるなんて、なんだか不自然で。
「ひとーつ、人より修行は苦手」
突然聞こえてきた、まだ幼い少女の声に、私たちは驚いた。
「なんだぁ!?」
「ふたーつ、ふるさとウータイを守るため」
今まで誰もいなかったはずなのに、闘技場へと続く階段の上に、ウータイの少女が立っていた。
「みっつ、醜い神羅のソルジャーを成敗してくれよう!」
もしかして、タークスの私もソルジャーだと思われてるのだろうか。どっちにしろ、神羅の人間であることには変わりはないけれど。
「女の子……?」
「危ないぞ。さっさとうちに帰れ!」
「これ以上進むって言うなら、アタシを倒しなさい!」
少女が、ザックスに向かって拳を振り上げ殴りつけて、回し蹴りをした。
「シュシュシュッ! どうだ、まいったか!」
まさか、その女の子を殺しちゃうんじゃ……!
私はそう思って、見ないように顔を手で覆うと、ザックスの叫び声が響いた。
「うおー!いってー!!」
そして勢いよくばたん、と地面に倒れ込んだ。
良かった。あの子を傷つけないように、演技でやられたフリをしているんだ。
ザックスって、すっごく優しい人なんだ。これも報告書に書いておこう。
「お前もだ!」
ウータイの少女は、勝ち誇った顔で私にも向かってきた。弱々しい拳で殴られる。
「やられたぁ~……」
同じようにやられたフリをして、私も地面に転がった。
「これがアタシの実力! ウータイの平和は、アタシが守る!」
そのまま少女はどこかへ走り去ってしまった。私たちは、完全にいなくなったことを確認してから立ち上がった。
「やれやれ、元気な子だな」
「私、ひやひやしちゃった。もしザックスが、あの女の子殺しちゃったらどうしようって……」
「俺をそんなにひどいやつじゃないぞ!?」
「ふふ、わかったよ」
気を取り直して階段を上り、ようやく闘技場の前に辿り着いた。