Prolog
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「ナマエ、聞いているか?」
ツォンさんの声に、私ははっと我に返った。今は仕事中で、任務の作戦内容を聞いているところだったはずだ。しかし、途中からすっかり考え事に没頭してしまっていた。
「聞いてませんでした……すみません……」
タークスの仕事はまだまだ慣れないことが多いけれど、今のツォンさんの表情は怒っている、ということは、少なからず理解した。
「不満があるなら、他の者と担当を代わるか?」
「いえ、問題ありません。私に行かせてください!」
今までは、任務といえばタークスの誰かに同行することだったが、今回は初めて単独任務に行かせてもらえる。しかし、タークスが私一人というだけで、ソルジャーもいるが。
「現地に着いたら、ソルジャー・クラス2ndのザックスと合流し、そのまま砦を壊滅させてくれ。詳しくはこの資料を見るといい」
「わかりました」
詳しい情報が記されてある資料を受け取り、時間や作戦内容を一通り暗記する。そして、完璧に覚えて、すぐにその資料をシュレッダーにかける。情報が、部外者に渡らないように。
すると、隣のデスクの上に足を投げ出して座っているレノさんに、肩を指先でつんつんと刺された。
「知ってるか? 子犬のザックス」
「何ですかそれ」
ソルジャーなのに子犬? 頭の中でその容姿を想像してみると、逞 しいソルジャーに犬の耳と尻尾が生えている、謎の生物が出来上がってしまった。
変な想像に頭を悩ませていた私の顔が可笑しかったのか、レノさんに鼻で笑われた。
「ま、会えばわかるぞ、と」
「レノさんから聞いておいて、教えてくれないんですか!?」
「だってよ、俺からあっさり答えを聞くより、自分の目で真実を確かめたほうがいいだろ? それでこそ、タークスのプロフェッショナルだぞ、と」
「なるほど……」
なんだか、いいようにはぐらかされた気もするが、とりあえず自分で確かめてみることにしよう。
「そういえば、ウータイならどうしてベテランのシスネじゃなくて、私なんですかね?」
ふと思った疑問を口にすると、真面目に事務仕事をしていたシスネも、会話に混ざってきた。
「貴女も少しは認められたってことね」
「そうなのかなぁ」
シスネは私と同じ年齢なのに、仕事は完遂どころかおまけがついてくるくらい完璧にこなしてしまうのだ。私はそんな彼女を尊敬しているし、友人としてもとても頼りにしている。
「まぁ、ソルジャーがいるなら安心ね」
シスネにとっては安心かもしれないが、私からしたらいくらソルジャーがいたところで、タークスが誰もいないのならどの任務よりも緊張する。
「そういうことだ。頑張ってこいよ」
next→ I
ツォンさんの声に、私ははっと我に返った。今は仕事中で、任務の作戦内容を聞いているところだったはずだ。しかし、途中からすっかり考え事に没頭してしまっていた。
「聞いてませんでした……すみません……」
タークスの仕事はまだまだ慣れないことが多いけれど、今のツォンさんの表情は怒っている、ということは、少なからず理解した。
「不満があるなら、他の者と担当を代わるか?」
「いえ、問題ありません。私に行かせてください!」
今までは、任務といえばタークスの誰かに同行することだったが、今回は初めて単独任務に行かせてもらえる。しかし、タークスが私一人というだけで、ソルジャーもいるが。
「現地に着いたら、ソルジャー・クラス2ndのザックスと合流し、そのまま砦を壊滅させてくれ。詳しくはこの資料を見るといい」
「わかりました」
詳しい情報が記されてある資料を受け取り、時間や作戦内容を一通り暗記する。そして、完璧に覚えて、すぐにその資料をシュレッダーにかける。情報が、部外者に渡らないように。
すると、隣のデスクの上に足を投げ出して座っているレノさんに、肩を指先でつんつんと刺された。
「知ってるか? 子犬のザックス」
「何ですかそれ」
ソルジャーなのに子犬? 頭の中でその容姿を想像してみると、
変な想像に頭を悩ませていた私の顔が可笑しかったのか、レノさんに鼻で笑われた。
「ま、会えばわかるぞ、と」
「レノさんから聞いておいて、教えてくれないんですか!?」
「だってよ、俺からあっさり答えを聞くより、自分の目で真実を確かめたほうがいいだろ? それでこそ、タークスのプロフェッショナルだぞ、と」
「なるほど……」
なんだか、いいようにはぐらかされた気もするが、とりあえず自分で確かめてみることにしよう。
「そういえば、ウータイならどうしてベテランのシスネじゃなくて、私なんですかね?」
ふと思った疑問を口にすると、真面目に事務仕事をしていたシスネも、会話に混ざってきた。
「貴女も少しは認められたってことね」
「そうなのかなぁ」
シスネは私と同じ年齢なのに、仕事は完遂どころかおまけがついてくるくらい完璧にこなしてしまうのだ。私はそんな彼女を尊敬しているし、友人としてもとても頼りにしている。
「まぁ、ソルジャーがいるなら安心ね」
シスネにとっては安心かもしれないが、私からしたらいくらソルジャーがいたところで、タークスが誰もいないのならどの任務よりも緊張する。
「そういうことだ。頑張ってこいよ」
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