人造妖精と行き止まりの夢/メインストーリー
生まれた時からずっと、森の奥でひっそりと暮らしていた。
粗末な小屋の周囲を少しばかり耕し、今日食べる分だけを収穫する。
肉は罠にかかった鹿やウサギを丁寧に解体して、
少しずつ大事に食べた。
不便ではあるが、祖父が存命だった頃からの習慣だ。
慣れてしまえば特に困る事はない。
それでも必要なものは街で調達するのだが、
ある時期から街の様子がおかしくなった。
「知ってる? 妖精が見つかったんですって」
たまたま立ち寄った店の女将が、そんな話をしてくれた。
なんでも、何十年も前に目撃情報が途絶えていた妖精が、
突然姿を表すようになったのだとか。
「へぇ。僕は見た事ありませんね。
ところで、最近店の商品が少なくありませんか。
お宅に限らず、どこも品薄のように感じますが」
仕入れ先で何かあったのだろうか。
災害とか、流行り病とか。
「それが、急に作らなくなったのよ。
例えばほら、この布。
無地のものはかろうじて手に入るんだけど、
柄物は全然。気になって職人に問い合わせても
『作れない』としか言われなくてね。
私も困っているのよ」
隣の店にも聞いてみたが、皆、似たような答えだった。
とりわけ、新商品と呼べるものが全く作られていないようだった。
事実、常に同じような日用品を扱う店よりも、
衣類や絵付きの食器を扱う店の方が、明らかに店頭の品数が少ない。
日替わりで料理を提供していた店では店主の手が進まず、
客が空腹のまま店を後にしたという話さえあった。
他にも似たような状態の人々が沢山おり、
些細な異変まで含めると相当な数に上る。
当人達に原因が分からないというのも、不気味さに拍車がかかっていた。
粗末な小屋の周囲を少しばかり耕し、今日食べる分だけを収穫する。
肉は罠にかかった鹿やウサギを丁寧に解体して、
少しずつ大事に食べた。
不便ではあるが、祖父が存命だった頃からの習慣だ。
慣れてしまえば特に困る事はない。
それでも必要なものは街で調達するのだが、
ある時期から街の様子がおかしくなった。
「知ってる? 妖精が見つかったんですって」
たまたま立ち寄った店の女将が、そんな話をしてくれた。
なんでも、何十年も前に目撃情報が途絶えていた妖精が、
突然姿を表すようになったのだとか。
「へぇ。僕は見た事ありませんね。
ところで、最近店の商品が少なくありませんか。
お宅に限らず、どこも品薄のように感じますが」
仕入れ先で何かあったのだろうか。
災害とか、流行り病とか。
「それが、急に作らなくなったのよ。
例えばほら、この布。
無地のものはかろうじて手に入るんだけど、
柄物は全然。気になって職人に問い合わせても
『作れない』としか言われなくてね。
私も困っているのよ」
隣の店にも聞いてみたが、皆、似たような答えだった。
とりわけ、新商品と呼べるものが全く作られていないようだった。
事実、常に同じような日用品を扱う店よりも、
衣類や絵付きの食器を扱う店の方が、明らかに店頭の品数が少ない。
日替わりで料理を提供していた店では店主の手が進まず、
客が空腹のまま店を後にしたという話さえあった。
他にも似たような状態の人々が沢山おり、
些細な異変まで含めると相当な数に上る。
当人達に原因が分からないというのも、不気味さに拍車がかかっていた。
