サン、ハイ!
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歓迎会と称した飲み会は、神室町にある焼肉店を貸し切って行われた。
「親父の奢りっすよ!たくさん食べましょう!」
西田さんは嬉しそうにカルビを頬張っている。
私もそれに続けと網の上に肉を乗せていく。
「あかんあかん!そんな焼き方やったらあかん!」
突然目の前にパイソン柄の腕が伸びてきて、私の手からトングを奪った。
社長が「カルビっちゅーのはこう焼くねん」と言って、器用に肉を焼いてくれる。
「ありがとうございます」
私がお礼を言うと「美琴チャンには美味い肉食わせたいからのぉ」と社長が笑った。
「今まで2週間も持った子おらん。
またすぐ辞めてまうんやろなと思っとったけど、
えらい頑張ってくれとるからわしからのお礼や。じゃんじゃん食えよ」
お皿に乗せてもらったお肉を食べる。確かに自分で焼くより美味しい気がした。
「美琴ちゃんが来てから現場の雰囲気すげぇ良いっすよ!
一生懸命やってくれるし、何よりも可愛いし!俺たちも張り合いがあります!」
そう言ってくれた西田さんの頭を、真島社長がトングで叩いた。
「アホ!無駄口ばっかり叩いとったら殺すで!」
「イタ!何でですか?」
そのやり取りを見て私は思わず笑ってしまった。
この二人は全然タイプが違うのに、まるで本当の親子のように仲が良い。
真島社長のパワハラも、西田さんは愛があるものとして受け止めているらしかった。
「私、この会社好きですよ。最初はちょっと後悔したけど…
今は居心地が良くて、皆さんと働くのが楽しくなってきました」
それは本音だった。ちょっと恥ずかしいこと言ってしまったかな、と思った。
だって真島社長と西田さんが穴が開くほどにこちらを見ている。
「あの…やっぱりなんか…変なこと言いました?」
その言葉に西田さんはブンブンと首を横に振り、社長はまだ無反応だった。
「俺はむちゃくちゃ感動してますよ!親父!良かったですね!」
「うっさいわ!ボケ!はよ食わんかい!」
「イテ!」
西田さんがまたトングで殴られたので、私は声を上げて笑った。
なんだか真島建設が好きになってきた気さえする。