一釘一釘の積み重ね
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「ちぃーとばかし忙しくなるからの」
いつものように事務所に戻ると、真島さんが急にそんなことを言った。
「桐生チャンからの頼まれ事や。
暫く事務所に顔出さんかも知れへんわ」
真島さんはフンフンと鼻歌を歌って、「桐生チャンやったらホンマにわしのことが好っきやなぁ」と呟いている。
どうやら桐生さんに頼み事をされたのが、よっぽど嬉しいらしかった。
「事務所の仕事はしっかりやっておきます」
私がそう言うと「頼むで」と返された。
なんだか本当にいつも通りで、拍子抜けする。
どれが本当の真島さんなのか、私にはやっぱり分からない。
「せや、嫌がらせの犯人な」
「...え?」
「美琴に嫌がらせしとった犯人や。
張り紙は金で雇われたホームレス、FAXも金で雇われたコンビニ店員やったわ」
この二日の間に調べてくれていたことに、私はちょっとびっくりする。
「ま、見つけられたんは末端やからな。
黒幕探すまではちぃとばかし時間と手間が必要や。ちょお待っとれよ」
「...あの...なんだか本当に...」
胸が一杯になる。
どうしてこんなに良くしてくれるのか。
「すいません」と言おうとしたのに、真島さんの口から先に「謝んなよ」と制された。
「わしが好きでやっとることや。
守ったる言うたんや、男に二言はないで」
「わしかっこええな」と付け足されるから、もう苦笑するしかなかった。
重たい空気にならないように、気を使ってくれたのかも知れない。
「せやからもう辞めるなんて言うなよ」
「辞めません」
追い回されるのは嫌だから、とは言わなかった。
むしろもう、追い回されるくらいが丁度良いかも知れない。
いつものように事務所に戻ると、真島さんが急にそんなことを言った。
「桐生チャンからの頼まれ事や。
暫く事務所に顔出さんかも知れへんわ」
真島さんはフンフンと鼻歌を歌って、「桐生チャンやったらホンマにわしのことが好っきやなぁ」と呟いている。
どうやら桐生さんに頼み事をされたのが、よっぽど嬉しいらしかった。
「事務所の仕事はしっかりやっておきます」
私がそう言うと「頼むで」と返された。
なんだか本当にいつも通りで、拍子抜けする。
どれが本当の真島さんなのか、私にはやっぱり分からない。
「せや、嫌がらせの犯人な」
「...え?」
「美琴に嫌がらせしとった犯人や。
張り紙は金で雇われたホームレス、FAXも金で雇われたコンビニ店員やったわ」
この二日の間に調べてくれていたことに、私はちょっとびっくりする。
「ま、見つけられたんは末端やからな。
黒幕探すまではちぃとばかし時間と手間が必要や。ちょお待っとれよ」
「...あの...なんだか本当に...」
胸が一杯になる。
どうしてこんなに良くしてくれるのか。
「すいません」と言おうとしたのに、真島さんの口から先に「謝んなよ」と制された。
「わしが好きでやっとることや。
守ったる言うたんや、男に二言はないで」
「わしかっこええな」と付け足されるから、もう苦笑するしかなかった。
重たい空気にならないように、気を使ってくれたのかも知れない。
「せやからもう辞めるなんて言うなよ」
「辞めません」
追い回されるのは嫌だから、とは言わなかった。
むしろもう、追い回されるくらいが丁度良いかも知れない。