一釘一釘の積み重ね
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目が覚めたのは、事務所のソファの上だった。
「気が付きました?」
声の方に顔を向ければ、心配顔の西田さんがいる。
「私...」
「起きちゃダメっす!」
起き上がろうとする私の肩を、西田さんが押し戻した。
「美琴ちゃん急に倒れたんすよ!
すごい熱だし、無理しちゃダメっす!」
言われてみれば体が怠い。
西田さんは私の額に乗せられたタオルを手に取り、それを洗面器に浸した。
新しく冷やしたそれをまた額に乗せてくれる。
ひんやりとして気持ちが良かった。
「今親父が薬買いに行ってます」
「え...真島さんが...?」
「美琴ちゃんが倒れた時もすごかったっすよ。親父、慌てて美琴ちゃん抱きかかえて。
薬も俺が買いに行くって言ったんすけどね、信用できへん!って怒られまして」
西田さんはそう言ってポリポリと頭を掻いた。
「少し休んだら今日はもう上がった方がいいっす。
親父が送ってくって言ってたんで」
「仕事に戻ります」と言う西田さんにお礼を言って、私はまた目を瞑った。
こんな温かい気持ちになるのは、一体何年ぶりだろう。
安心して眠れる場所も、私にはなかった。
ただのプレハブ小屋であるこの場所が、今の私にとって一番安らげる場所になりつつある。
朧げな記憶の中で、真島さんに抱きかかえられた感触を思い出す。
必死に名前を呼んでくれたことも、少しだけ覚えている。
変な人だなと思う。でも物凄く優しい。
人を好きになる資格なんてないのにな、と思う。
涙が枯れるほど泣いた日々を思い出す。
愛した人が離れていくのは、もう耐えられなかった。
傷つくのが何よりも怖い私に、恋をする権利なんかある訳ないのだ。
そう分かっているのに、止められない程私は真島さんに恋をしている。
「気が付きました?」
声の方に顔を向ければ、心配顔の西田さんがいる。
「私...」
「起きちゃダメっす!」
起き上がろうとする私の肩を、西田さんが押し戻した。
「美琴ちゃん急に倒れたんすよ!
すごい熱だし、無理しちゃダメっす!」
言われてみれば体が怠い。
西田さんは私の額に乗せられたタオルを手に取り、それを洗面器に浸した。
新しく冷やしたそれをまた額に乗せてくれる。
ひんやりとして気持ちが良かった。
「今親父が薬買いに行ってます」
「え...真島さんが...?」
「美琴ちゃんが倒れた時もすごかったっすよ。親父、慌てて美琴ちゃん抱きかかえて。
薬も俺が買いに行くって言ったんすけどね、信用できへん!って怒られまして」
西田さんはそう言ってポリポリと頭を掻いた。
「少し休んだら今日はもう上がった方がいいっす。
親父が送ってくって言ってたんで」
「仕事に戻ります」と言う西田さんにお礼を言って、私はまた目を瞑った。
こんな温かい気持ちになるのは、一体何年ぶりだろう。
安心して眠れる場所も、私にはなかった。
ただのプレハブ小屋であるこの場所が、今の私にとって一番安らげる場所になりつつある。
朧げな記憶の中で、真島さんに抱きかかえられた感触を思い出す。
必死に名前を呼んでくれたことも、少しだけ覚えている。
変な人だなと思う。でも物凄く優しい。
人を好きになる資格なんてないのにな、と思う。
涙が枯れるほど泣いた日々を思い出す。
愛した人が離れていくのは、もう耐えられなかった。
傷つくのが何よりも怖い私に、恋をする権利なんかある訳ないのだ。
そう分かっているのに、止められない程私は真島さんに恋をしている。