蛇の道駆け抜けろ
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「...どないしたんや、急に」
「お願いです...辞めさせてください...」
ただひたすら、嗚咽混じりに「お願いします」と繰り返した。
真島さんの手が肩に置かれて、私はピクリと体を震わせる。
「訳は言いたないんか」
コクリと頷くと、真島さんの手が肩から離れた。
これでもう本当に終わりだ、そう思うと更に涙が溢れてくる。
ついこの間まで、あんなに馬鹿みたいな事で笑い合っていたのに、幸せは一瞬で壊れてしまう。
それを人生で何度も経験して来たはずなのに、私は学習しない。
突然、顔を覆っていた両手が力強く引っ張られた。
その弾みで、椅子から立ち上がるようにつんのめる。
いつかみたいに、私の頬に真島さんの厚い胸板が当たった。
スパイシーな香水の匂いと、煙草の匂いが胸一杯に広がる。
真島さんの両腕が、私の体をすっぽりと包みこんだ。
彼の心臓の音が、聞こえる。
「真島建設のモットー知っとるか」
体に響く真島さんの声は、いつもと違った。
ふざけてなくて、笑ってなくて、低くて、甘い。
「来るもの拒まず、去る者は追い回す、がモットーや。そない簡単に辞めれると思うなよ」
「俺が守ったる」と囁かれて、胸がぎゅっとなる。
どうして、ダメなのに。
そう思うのに、気付けば真島さんの背中に腕を回していた。
私はここを辞めたくない、この人の側から離れたくない。
それでも離れなくてはならないと、頭では理解していた。
「お願いです...辞めさせてください...」
ただひたすら、嗚咽混じりに「お願いします」と繰り返した。
真島さんの手が肩に置かれて、私はピクリと体を震わせる。
「訳は言いたないんか」
コクリと頷くと、真島さんの手が肩から離れた。
これでもう本当に終わりだ、そう思うと更に涙が溢れてくる。
ついこの間まで、あんなに馬鹿みたいな事で笑い合っていたのに、幸せは一瞬で壊れてしまう。
それを人生で何度も経験して来たはずなのに、私は学習しない。
突然、顔を覆っていた両手が力強く引っ張られた。
その弾みで、椅子から立ち上がるようにつんのめる。
いつかみたいに、私の頬に真島さんの厚い胸板が当たった。
スパイシーな香水の匂いと、煙草の匂いが胸一杯に広がる。
真島さんの両腕が、私の体をすっぽりと包みこんだ。
彼の心臓の音が、聞こえる。
「真島建設のモットー知っとるか」
体に響く真島さんの声は、いつもと違った。
ふざけてなくて、笑ってなくて、低くて、甘い。
「来るもの拒まず、去る者は追い回す、がモットーや。そない簡単に辞めれると思うなよ」
「俺が守ったる」と囁かれて、胸がぎゅっとなる。
どうして、ダメなのに。
そう思うのに、気付けば真島さんの背中に腕を回していた。
私はここを辞めたくない、この人の側から離れたくない。
それでも離れなくてはならないと、頭では理解していた。