ミレニアムタワーで会いましょう
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「絵梨ちゃん、これ焼けてんで」
「ありがとうございます」
真島さんが手際良く肉を焼いてくれ、それを私がひたすら食べる。
という焼肉デートは今日で3回目だった。
素肌にパイソン柄ジャケット、レザーパンツ、黒い眼帯、という出で立ちのこの人は極道で、ふとしたキッカケで知り合って今に至る。
私が働くオフィスが入るビルに事務所を構えており、時間が合えばこうして焼肉を食べる仲だ。
「よぉ食べんなぁ」
真島さんは私が食べると嬉しそうな顔をするので、いつも食べ過ぎてしまう。
だから最近は食事制限に苦労している。
「真島さんが焼いてくれるお肉が美味しいので」
「おっしゃ、どんどん焼いたろ」
手を挙げた真島さんが店員にカルビを追加する。
明日から暫くサラダだな、と思いながら牛タンを咀嚼した。
「せや、絵梨ちゃんて彼氏おんの?」
「はい?」
今更ですか。
じゃあ今までのはデートじゃなかったんですか。
私の機嫌は明らかに悪くなる。
「いませんけど」
「なんか怒ってんの?」
「怒ってません。牛タン追加していいですか?」
私は手を挙げて店員を呼ぶと「牛タン、特上で」と言った。
「なんか怒ってるやん。
わしは嬉しいで。絵梨ちゃんが独り身で」
「これからは堂々とデートに誘えるやん」と真島さんが続けるので、私は更に牛タンを追加した。
「私はずっとデートだと思ってましたよ」
私は牛タンの歯切れ良い食感を味わいながらそう言った。
「むしろ今まで何だと思ってたんですか」
「餌付けやな」
「......牛タンあるだけ頼んでいいですか」
私の言葉に真島さんがヒャッヒャッヒャと声を上げて笑った。
「冗談やんか。そんな怒るなや」
私は無視して黙ってまた牛タンを咀嚼する。
牛タンも特上となればシャクシャク、という小気味良い音がするもんだ。
「絵梨ちゃん、わし極道や」
シャクシャク
「絵梨ちゃんの回り、カタギのええ男いっぱいおるやろ」
シャクシャク
「せやから逃げられへんように餌付けやんか」
「...結局餌付けじゃん」
また真島さんがヒャッヒャッヒャと笑った。
なんかむかつく。
「わしほど上手く肉焼ける男おらんで。
けど次はもっとええとこ二人で行こか」
「...いいですけど」
私の答えに真島さんは満足そうな顔をする。
「もっとええ牛タンあるとこ連れてったるわ」
「結局焼肉じゃん!」
また真島さんが大声で笑った。
ほんと、むかつく。
「ありがとうございます」
真島さんが手際良く肉を焼いてくれ、それを私がひたすら食べる。
という焼肉デートは今日で3回目だった。
素肌にパイソン柄ジャケット、レザーパンツ、黒い眼帯、という出で立ちのこの人は極道で、ふとしたキッカケで知り合って今に至る。
私が働くオフィスが入るビルに事務所を構えており、時間が合えばこうして焼肉を食べる仲だ。
「よぉ食べんなぁ」
真島さんは私が食べると嬉しそうな顔をするので、いつも食べ過ぎてしまう。
だから最近は食事制限に苦労している。
「真島さんが焼いてくれるお肉が美味しいので」
「おっしゃ、どんどん焼いたろ」
手を挙げた真島さんが店員にカルビを追加する。
明日から暫くサラダだな、と思いながら牛タンを咀嚼した。
「せや、絵梨ちゃんて彼氏おんの?」
「はい?」
今更ですか。
じゃあ今までのはデートじゃなかったんですか。
私の機嫌は明らかに悪くなる。
「いませんけど」
「なんか怒ってんの?」
「怒ってません。牛タン追加していいですか?」
私は手を挙げて店員を呼ぶと「牛タン、特上で」と言った。
「なんか怒ってるやん。
わしは嬉しいで。絵梨ちゃんが独り身で」
「これからは堂々とデートに誘えるやん」と真島さんが続けるので、私は更に牛タンを追加した。
「私はずっとデートだと思ってましたよ」
私は牛タンの歯切れ良い食感を味わいながらそう言った。
「むしろ今まで何だと思ってたんですか」
「餌付けやな」
「......牛タンあるだけ頼んでいいですか」
私の言葉に真島さんがヒャッヒャッヒャと声を上げて笑った。
「冗談やんか。そんな怒るなや」
私は無視して黙ってまた牛タンを咀嚼する。
牛タンも特上となればシャクシャク、という小気味良い音がするもんだ。
「絵梨ちゃん、わし極道や」
シャクシャク
「絵梨ちゃんの回り、カタギのええ男いっぱいおるやろ」
シャクシャク
「せやから逃げられへんように餌付けやんか」
「...結局餌付けじゃん」
また真島さんがヒャッヒャッヒャと笑った。
なんかむかつく。
「わしほど上手く肉焼ける男おらんで。
けど次はもっとええとこ二人で行こか」
「...いいですけど」
私の答えに真島さんは満足そうな顔をする。
「もっとええ牛タンあるとこ連れてったるわ」
「結局焼肉じゃん!」
また真島さんが大声で笑った。
ほんと、むかつく。