ミレニアムタワーで会いましょう
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真島さんと冴島さんとカラオケに行った後、私はまたタクシーに押し込まれた。
なんとなくそうなるような気はしていて、むしろそっちがその気ならこっちだって、というよく分からない意地の火が付いた。
だからあれから一週間、私は真島さんからの連絡に無視を決め込んでいる。
時刻は午後6時を過ぎたところ。
あのカラオケから、数えて3回目の着信を私は無視した。
本当は電話に飛び付いて、呼び出されれば駆け付けたいという欲に蓋をする。
特に急ぎでもないのに、必要でもない残業をして邪念を振り払った。
いつまでこんなことを続けるのか自分でもわからない。
そのうち連絡が来なくなって死ぬほど後悔するかも知れない。
それでも私は真島さんに対してすぐ素直になれるほど若くなくて、すぐ許せるほど大人じゃなかった。
残業を1時間ほど続けて集中力が無くなった頃、私は諦めてオフィスを後にする。
このビルの中に今真島さんはいるのかなとか、やっぱり電話に出れば良かったかなとか、そんなことを考えてしまう自分に少し疲れていた。
美味しいコーヒーが飲みたい気分で、カフェが入る階で降りてみる。
そしたらそこに見たことのある人がいた。
「おつかれさんです!」
膝に手をついた形で礼をされ、「あ、真島さんのところの」とすぐに気付いた。
「自分、西田っす!」
見るからに極道らしくない彼は、愛想の良い顔で自己紹介すると「これから親父とですか?」と無邪気に聞いてくる。
「今日は...真島さん、事務所にいらっしゃるんですか?」
特に約束なんてないのに、真島さんのことが気になってつい口にしてしまった。
「たぶん親父は今屋上っすね」
「屋上?」
「はい!あぁ見えて親父、ちょっとおセンチなとこありますから。なんでか最近落ち込んでるみたいで」
「俺がおセンチって言ったことは内緒にしてください」と慌てたように付け足されるが、気付けば私はエレベーターの△ボタンを押していた。
「あの、屋上ってどう行くんですか?」
なんとなくそうなるような気はしていて、むしろそっちがその気ならこっちだって、というよく分からない意地の火が付いた。
だからあれから一週間、私は真島さんからの連絡に無視を決め込んでいる。
時刻は午後6時を過ぎたところ。
あのカラオケから、数えて3回目の着信を私は無視した。
本当は電話に飛び付いて、呼び出されれば駆け付けたいという欲に蓋をする。
特に急ぎでもないのに、必要でもない残業をして邪念を振り払った。
いつまでこんなことを続けるのか自分でもわからない。
そのうち連絡が来なくなって死ぬほど後悔するかも知れない。
それでも私は真島さんに対してすぐ素直になれるほど若くなくて、すぐ許せるほど大人じゃなかった。
残業を1時間ほど続けて集中力が無くなった頃、私は諦めてオフィスを後にする。
このビルの中に今真島さんはいるのかなとか、やっぱり電話に出れば良かったかなとか、そんなことを考えてしまう自分に少し疲れていた。
美味しいコーヒーが飲みたい気分で、カフェが入る階で降りてみる。
そしたらそこに見たことのある人がいた。
「おつかれさんです!」
膝に手をついた形で礼をされ、「あ、真島さんのところの」とすぐに気付いた。
「自分、西田っす!」
見るからに極道らしくない彼は、愛想の良い顔で自己紹介すると「これから親父とですか?」と無邪気に聞いてくる。
「今日は...真島さん、事務所にいらっしゃるんですか?」
特に約束なんてないのに、真島さんのことが気になってつい口にしてしまった。
「たぶん親父は今屋上っすね」
「屋上?」
「はい!あぁ見えて親父、ちょっとおセンチなとこありますから。なんでか最近落ち込んでるみたいで」
「俺がおセンチって言ったことは内緒にしてください」と慌てたように付け足されるが、気付けば私はエレベーターの△ボタンを押していた。
「あの、屋上ってどう行くんですか?」