ミレニアムタワーで会いましょう
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俺と子鹿がコンビニから戻った後も、真島は狂ったように歌い続けていた。
カラオケなんぞ、何が楽しいのか俺には分からん。
「お、なんや、二人でどこ行っとったんや!」
歌の合間にそう聞いてくるが、すぐさままた狂ったようにマイクを握る。
ホンマに忙しいやっちゃな...
子鹿は子鹿でもう何も気にしない、というようにカルパスを頬張っていた。
つまみの趣味まで渋い奴だ。
真島には近付かない方がいいと今でも思う。
けれどあの意思の固い瞳は、余所者の自分が何を言ってももう何も聞かないのだろう。
口下手な自分では説得などできる訳もない。
それにしても気の強い小娘やな
この子鹿はいつか何に化けるんやろうか
まぁ、かたせ梨乃になるには色気が足りんけど
思う存分歌ったのか、額にうっすら汗を滲ませた真島が「絵梨ちゃんも何か歌い」とマイクを握らせた。
てっきり子鹿は嫌がるのかと思ったが、立ち上がるとノリノリでマスターに曲をリクエストしている。
酔っているのか吹っ切れているのか、俺の目にはそのどちらとも取れた。
曲のイントロが流れた時、俺は水割りを吹き出しそうになる。
子鹿がセーラー服と機関銃を歌っていた。
案外、この二人は上手くやっていけるのかも知れん。