ミレニアムタワーで会いましょう
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「お前、アレとおるのはやめた方がええぞ」
コンビニまでの道中、冴島さんがそう言った。
「子鹿はカタギやろ。俺ら極道の世界なんか知らん方がええ」
それは至極当たり前の言葉で、"子鹿"と呼ばれていることさえ気にならなかった。
たぶんきっと誰に話したって同じことを言われるだろう。
「高島礼子って素敵ですよね」
「あ?」
「私、あぁはなれないかも知れないけど。好きですよ、極妻」
私の言葉に冴島さんが足を止める。
「ほんまもんは、あない映画みたいな話とちゃうで」
「殴ったり蹴ったり撃ったりしないんですか」
「いや、するけどやな。ちゃうやろ、映画観んのとは」
「確かに実物は見たことないですけど。チャカとか?」
私は手で拳銃の形を作ると、それを冴島さんに向けた。
「パン!」と打ってから「快感」と言って見せる。
それに冴島さんが呆れたような顔をした。
「あれは機関銃やろ。いや、そうやない。
俺が言いたいんはこれ以上兄弟に近づくなということや」
「わかってます」
私は冴島さんの顔を真っ直ぐに見る。
「わかってますよ。でもむかつくじゃないですか」
「何がや」
「あの人勝手ですよね。最初だって近付いて来たのはあの人で、それなのに近付こうとしたら交わされて。でも私、結構本気なんです。
だから冴島さんにも今ちょっとむかついてますよ。
二人とも私の気持ち無視しすぎるから」
私は冴島さんから目を逸らさない。
だって本気だから。
「どうしようもなく好きなんです。
だから遠い世界の人って言われても諦められないし、諦める気もありません。
私、そんな世間知らずじゃないですよ。
結構擦れてますから」
「高島礼子にはなれないけど」と付け加えた。
別に冴島さんを説得しようなんて思っていない。
所詮何を言ったって、カタギの私にはなんの説得力もないのだ。
ただ真島さんに振られるならまだしも、他の誰かに諦めろなんて言われたくなかった。
「...子鹿は若いのに、なんでそない映画ばっかり観とるんや」
「父が...亡くなりましたけど。
好きだったんですよ、任侠映画」
「お前の父ちゃん何やってたんや」
「極々普通の公務員ですよ」
冴島さんは大きなため息を吐いて、「もうええ」とだけ言った。
「俺は高島礼子より、かたせ梨乃の方がええわ」
「冴島さん、やらしーですね」
コンビニはもうすぐそこだった。
コンビニまでの道中、冴島さんがそう言った。
「子鹿はカタギやろ。俺ら極道の世界なんか知らん方がええ」
それは至極当たり前の言葉で、"子鹿"と呼ばれていることさえ気にならなかった。
たぶんきっと誰に話したって同じことを言われるだろう。
「高島礼子って素敵ですよね」
「あ?」
「私、あぁはなれないかも知れないけど。好きですよ、極妻」
私の言葉に冴島さんが足を止める。
「ほんまもんは、あない映画みたいな話とちゃうで」
「殴ったり蹴ったり撃ったりしないんですか」
「いや、するけどやな。ちゃうやろ、映画観んのとは」
「確かに実物は見たことないですけど。チャカとか?」
私は手で拳銃の形を作ると、それを冴島さんに向けた。
「パン!」と打ってから「快感」と言って見せる。
それに冴島さんが呆れたような顔をした。
「あれは機関銃やろ。いや、そうやない。
俺が言いたいんはこれ以上兄弟に近づくなということや」
「わかってます」
私は冴島さんの顔を真っ直ぐに見る。
「わかってますよ。でもむかつくじゃないですか」
「何がや」
「あの人勝手ですよね。最初だって近付いて来たのはあの人で、それなのに近付こうとしたら交わされて。でも私、結構本気なんです。
だから冴島さんにも今ちょっとむかついてますよ。
二人とも私の気持ち無視しすぎるから」
私は冴島さんから目を逸らさない。
だって本気だから。
「どうしようもなく好きなんです。
だから遠い世界の人って言われても諦められないし、諦める気もありません。
私、そんな世間知らずじゃないですよ。
結構擦れてますから」
「高島礼子にはなれないけど」と付け加えた。
別に冴島さんを説得しようなんて思っていない。
所詮何を言ったって、カタギの私にはなんの説得力もないのだ。
ただ真島さんに振られるならまだしも、他の誰かに諦めろなんて言われたくなかった。
「...子鹿は若いのに、なんでそない映画ばっかり観とるんや」
「父が...亡くなりましたけど。
好きだったんですよ、任侠映画」
「お前の父ちゃん何やってたんや」
「極々普通の公務員ですよ」
冴島さんは大きなため息を吐いて、「もうええ」とだけ言った。
「俺は高島礼子より、かたせ梨乃の方がええわ」
「冴島さん、やらしーですね」
コンビニはもうすぐそこだった。