My everything 0.5
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あれから一週間、明菜は一度もこの部屋に来ていない。
それどころか携帯も鳴らない。
自分で仕向けたことであるのに、趙は苛立ちを隠せなかった。
携帯を開いてはメールの問い合わせをし、一週間前まではびっしりだった明菜からの着信履歴を何度も眺めた。
あんなことがあれば来なくなって当然なのに、自分でそう望んだはずなのに。
自分で自分が情けなかった。
明菜がまだ幼かった頃。
一人ぼっちだったあの子を趙は気にかけていた。
聞けば血の色が違うというだけで、コミュニティの輪から外れ、義父にすら疎まれているという。
母親もこの町に馴染めず、親子二人浮いているように見えた。
最初は好奇心だった。
明菜の義父は組織の幹部で、それなりの地位を築いていた。
けれど子供ながらに自分の利己心だけしか考えていないその男を、趙は好きになれなかった。
部下に対する態度も高圧的で、だからこそ親父も一番近くには置かなかったのだろう。
そんな父親に疎まれている娘と自分が仲良くなったらどうなる?
周りの大人たちの反応を想像して、ただ面白がっていただけだ。
けれど観察するうちに、不憫でならなくなった。
あの日思わず声を掛け、ここに連れてきたことを10年後何度も後悔することになるとは思わずに。
「ん...おかえり」
「人のベッド占領して寝てんなよ」
いつしか明菜は趙の部屋で眠るようになった。
哥哥と呼ばれていた頃はまだ良かったが、いつしか名前で呼ばれるようになる歳には、
明菜はすっかり色気を纏った“女“になっていた。
小さい頃から可愛かったけど、ここまで綺麗に成長するもんなの?
歳を重ねる度、明菜はどんどん美しくなる。
しかもベッドで眠る彼女は薄着で、形の良い胸が服の上からでも良くわかった。
いつしか趙は自身の理性を保つ為、朝方まで部屋に帰らない生活を始めた。
眠くなるまで酒を飲み、性欲のはけ口に抱ける女がいれば抱いた。
他所で別の女を抱いた後は、罪悪感から余計明菜に触れる気が起きない。
こんな綺麗なものを、自分の手で汚すわけにいかないと感じていた。
「また、違う女...」
明菜の隣に潜り込むなり、拗ねた口調でそう言われた。
誰のせいでこうなっていると思うのか。
「俺、モテちゃうのよ。子供にはわかんないだろうけどさぁ」
ふざけた口調でそう言うと、明菜は小さなため息を吐いた。
「いつか刺されるからね」
そう言ってから暫くすると、布団に顔を埋めて寝息を立てる。
「だから、無防備なんだって」
可愛らしい寝顔に触れたい欲をグッとこらえ、酔いに任せて目を瞑る。
そうして見るのはいつも同じ夢だ。
天女のように明菜がするすると天に昇って行く。
離すまいと手を伸ばすが、それは虚しく空を切るだけだ。
「ごめんなさい。私はあなたとは違う“世界“の住人だから」
綺麗な顔に涙を浮かべ、明菜はいつもこう言うのだ。
「もう一緒にはいられないの」と。
それどころか携帯も鳴らない。
自分で仕向けたことであるのに、趙は苛立ちを隠せなかった。
携帯を開いてはメールの問い合わせをし、一週間前まではびっしりだった明菜からの着信履歴を何度も眺めた。
あんなことがあれば来なくなって当然なのに、自分でそう望んだはずなのに。
自分で自分が情けなかった。
明菜がまだ幼かった頃。
一人ぼっちだったあの子を趙は気にかけていた。
聞けば血の色が違うというだけで、コミュニティの輪から外れ、義父にすら疎まれているという。
母親もこの町に馴染めず、親子二人浮いているように見えた。
最初は好奇心だった。
明菜の義父は組織の幹部で、それなりの地位を築いていた。
けれど子供ながらに自分の利己心だけしか考えていないその男を、趙は好きになれなかった。
部下に対する態度も高圧的で、だからこそ親父も一番近くには置かなかったのだろう。
そんな父親に疎まれている娘と自分が仲良くなったらどうなる?
周りの大人たちの反応を想像して、ただ面白がっていただけだ。
けれど観察するうちに、不憫でならなくなった。
あの日思わず声を掛け、ここに連れてきたことを10年後何度も後悔することになるとは思わずに。
「ん...おかえり」
「人のベッド占領して寝てんなよ」
いつしか明菜は趙の部屋で眠るようになった。
哥哥と呼ばれていた頃はまだ良かったが、いつしか名前で呼ばれるようになる歳には、
明菜はすっかり色気を纏った“女“になっていた。
小さい頃から可愛かったけど、ここまで綺麗に成長するもんなの?
歳を重ねる度、明菜はどんどん美しくなる。
しかもベッドで眠る彼女は薄着で、形の良い胸が服の上からでも良くわかった。
いつしか趙は自身の理性を保つ為、朝方まで部屋に帰らない生活を始めた。
眠くなるまで酒を飲み、性欲のはけ口に抱ける女がいれば抱いた。
他所で別の女を抱いた後は、罪悪感から余計明菜に触れる気が起きない。
こんな綺麗なものを、自分の手で汚すわけにいかないと感じていた。
「また、違う女...」
明菜の隣に潜り込むなり、拗ねた口調でそう言われた。
誰のせいでこうなっていると思うのか。
「俺、モテちゃうのよ。子供にはわかんないだろうけどさぁ」
ふざけた口調でそう言うと、明菜は小さなため息を吐いた。
「いつか刺されるからね」
そう言ってから暫くすると、布団に顔を埋めて寝息を立てる。
「だから、無防備なんだって」
可愛らしい寝顔に触れたい欲をグッとこらえ、酔いに任せて目を瞑る。
そうして見るのはいつも同じ夢だ。
天女のように明菜がするすると天に昇って行く。
離すまいと手を伸ばすが、それは虚しく空を切るだけだ。
「ごめんなさい。私はあなたとは違う“世界“の住人だから」
綺麗な顔に涙を浮かべ、明菜はいつもこう言うのだ。
「もう一緒にはいられないの」と。