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明菜にサバイバーにいることを伝えてから数週間。
幾度となく差し入れだ着替えだと言って通って来ているようだが、頬を引っ叩かれたあの日から一度も顔を合わせていない。
いや、合わせないようにしている。
我慢ならず居場所を教えた癖に、と自分でも思うけれど、今明菜に会えばもうこの手から離せなくなるのではないかと不安だった。
「ほらよ、色男。明菜ちゃんから」
サバイバーの店内に入るなりぶっきらぼうに紙袋を手渡され、それを黙って受け取った。
渡してきたモジャモジャ頭は、少々不機嫌そうだ。
「お前が何を考えてるのか俺にはわからねぇ。
でもこのままじゃ明菜ちゃんがかわいそうじゃねぇか。
週に何度もこうして通って来てくれてんのに」
最近は自分より明菜と話すことが多いからだろうか。
春日はすっかり彼女の味方で、会えばこうして責めてくる。
少しばかり明菜と仲良くなりすぎているような気がして、正直面白くはなかった。
「俺だって色々あるんだよー。
こう見えて忙しいの、春日くんと違って」
あーだこーだと小言を言う春日を無視して、カウンターに腰掛けた。
手渡された紙袋の中には着替えとタッパー。
中身はどうせまた炒飯だろう。
「おい、趙。お前いい加減にしろよ。
あんな可愛い子をほったらかしにするなんて」
背後から聞こえる春日の怒声に聞こえないふりをして、黙って炒飯を頬張った。
俺の腕には敵わないが、相変わらず美味い。
どんな顔で明菜はこれを作ってくれているのだろう。
どんな気持ちで、これを届けてくれているんだろうか。
炒飯を飲み込むと同時に、真横に置いたスマートフォンが震えた。
メールの受信を知らせるバーナーを指で叩けば「異常ナシ」の文字。
今日も明菜は無事だ。
そのことに胸を撫で下ろし、また炒飯を口に運ぶ。
俺はこの時、すっかり油断しきっていたのだと思う。
自分以外の人間が明菜を守る事などできるわけもないのに。
幾度となく差し入れだ着替えだと言って通って来ているようだが、頬を引っ叩かれたあの日から一度も顔を合わせていない。
いや、合わせないようにしている。
我慢ならず居場所を教えた癖に、と自分でも思うけれど、今明菜に会えばもうこの手から離せなくなるのではないかと不安だった。
「ほらよ、色男。明菜ちゃんから」
サバイバーの店内に入るなりぶっきらぼうに紙袋を手渡され、それを黙って受け取った。
渡してきたモジャモジャ頭は、少々不機嫌そうだ。
「お前が何を考えてるのか俺にはわからねぇ。
でもこのままじゃ明菜ちゃんがかわいそうじゃねぇか。
週に何度もこうして通って来てくれてんのに」
最近は自分より明菜と話すことが多いからだろうか。
春日はすっかり彼女の味方で、会えばこうして責めてくる。
少しばかり明菜と仲良くなりすぎているような気がして、正直面白くはなかった。
「俺だって色々あるんだよー。
こう見えて忙しいの、春日くんと違って」
あーだこーだと小言を言う春日を無視して、カウンターに腰掛けた。
手渡された紙袋の中には着替えとタッパー。
中身はどうせまた炒飯だろう。
「おい、趙。お前いい加減にしろよ。
あんな可愛い子をほったらかしにするなんて」
背後から聞こえる春日の怒声に聞こえないふりをして、黙って炒飯を頬張った。
俺の腕には敵わないが、相変わらず美味い。
どんな顔で明菜はこれを作ってくれているのだろう。
どんな気持ちで、これを届けてくれているんだろうか。
炒飯を飲み込むと同時に、真横に置いたスマートフォンが震えた。
メールの受信を知らせるバーナーを指で叩けば「異常ナシ」の文字。
今日も明菜は無事だ。
そのことに胸を撫で下ろし、また炒飯を口に運ぶ。
俺はこの時、すっかり油断しきっていたのだと思う。
自分以外の人間が明菜を守る事などできるわけもないのに。