あなた...小さなレストランの若きオーナー
最終章 GRAND
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目が覚めた時、一番最初に見えたのは真っ白い天井だった。
ここは天国かなと柚葵は思う。
けれど息苦しさを感じて、すぐに現実に引き戻された。
喉から体に刺されている管が、異物感を伴って苦痛を与える。
そのお陰で今自分がいる場所がどこなのか理解した。
心拍数を測る機械の音が、一定のリズムを刻んでいる。
意識がはっきりした後で頭に浮かんだのは真島のことだった。
彼の無事を確認したいのに声が出ない。
必死で当たりを見渡せば、そこに人影があった。
「姐さん!」
今にも泣き出しそうな、西田の顔が視界に飛び込んでくる。
「俺、医者呼んでくるっす!
ちょっと待っててください!」
それだけ言っていなくなってしまう。
違う、私の事なんてどうでもいい
真島さんが無事なのかそれだけが知りたい
行かないで、教えて
そう思うのに体が動かない。
もし真島が無事ならばきっとこの病室にいる筈で、最悪の事態を思って涙が溢れた。
もう二度と真島に会えないのかも知れない、という恐怖が現実味を帯びて柚葵の全身を襲った。
そんなの絶対に嫌だ、耐えられない。
私はどうしようもなく彼を愛している。
涙が止めどなく溢れ、頬を伝った。
この涙を拭ってくれる温かい指は、ここにない。