あなた...小さなレストランの若きオーナー
罪と罰
空欄の場合は"柚葵"になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「もしもしぃ、全然真島クン来うへんのやけどぉ」
携帯電話で誰と話しているのか、赤スーツの男は苛立っているようだった。
「あんたに言われてええ子にしとんのも、そろそろ限界やねん」
電話の向こうの相手が何かを怒鳴っているのがわかる。
内容までは聞こえず、柚葵はただそれを見ているしかできなかった。
「この女のことなんか、わし関係ないねん。
あんたの言うこと聞く義理も別にないんやで」
声の調子が急に冷たい印象に変わり、柚葵の背中がゾクリとした。
「面白そうやから話に乗っただけで、別にあんたの言うこと聞いてもわしにはなんのメリットもあらへん。わしはただ喧嘩したいだけなんや。
近江なんかどうでもええ。
東城会とでっかい喧嘩できたらそれで気持ちええだけや。
なんならこの姉ちゃん殺したってええんやで。
その方が真島クン、面白い反応するんちゃう?」
いつの間に手に取ったのだろう、短刀を片手でくるくると回し「その方がおもろいなぁ」と笑っている。
殺されるかも知れないという恐怖より、得体の知れない男を目の前にしていることが怖かった。
「お姉ちゃん殺されたくないんやったら、早よわしのとこに真島クン寄越すか、さっさとサインして別な近江の組員ここに送ったらええんちゃう?」
「わし交渉上手やなー」と男は笑い、電話を切った。
放り投げられた携帯電話が、すぐさまけたたましく鳴る。
男はそれを自ら右手に持ち替えた短刀で思い切り刺した。
携帯電話は、もう鳴らない。
「全くうるさいのぉ」
「買うたばかりやのにぃ」と男はまた両手で顔を覆った。
この人は狂ってる
上手く息ができない。
柚葵の喉を通る空気がヒューと音を立てた。
「どないしよ。お姉ちゃんいっぺん死んどく?」
真顔で見られて心臓が一瞬止まった。
これは一体なんの罰なのだろう。
カツンカツンと革靴を鳴らし、男が柚葵に近付いてくる。
座ったまま後ろに躙り寄るが、手足を縛られ上手く動けない。
カツンカツン
カツンカツン
男が柚葵の目の前まで来た時だった。
「シィー」と男が自分の唇に人差し指を当てる。
「キタキタキタキタキター!」
嬉しそうに男が絶叫した瞬間だった。
部屋の扉が勢い良く開いた音がする。
振り返ればそこに、真島が立っていた。
なんで
どうして
来ては、ダメなのに
携帯電話で誰と話しているのか、赤スーツの男は苛立っているようだった。
「あんたに言われてええ子にしとんのも、そろそろ限界やねん」
電話の向こうの相手が何かを怒鳴っているのがわかる。
内容までは聞こえず、柚葵はただそれを見ているしかできなかった。
「この女のことなんか、わし関係ないねん。
あんたの言うこと聞く義理も別にないんやで」
声の調子が急に冷たい印象に変わり、柚葵の背中がゾクリとした。
「面白そうやから話に乗っただけで、別にあんたの言うこと聞いてもわしにはなんのメリットもあらへん。わしはただ喧嘩したいだけなんや。
近江なんかどうでもええ。
東城会とでっかい喧嘩できたらそれで気持ちええだけや。
なんならこの姉ちゃん殺したってええんやで。
その方が真島クン、面白い反応するんちゃう?」
いつの間に手に取ったのだろう、短刀を片手でくるくると回し「その方がおもろいなぁ」と笑っている。
殺されるかも知れないという恐怖より、得体の知れない男を目の前にしていることが怖かった。
「お姉ちゃん殺されたくないんやったら、早よわしのとこに真島クン寄越すか、さっさとサインして別な近江の組員ここに送ったらええんちゃう?」
「わし交渉上手やなー」と男は笑い、電話を切った。
放り投げられた携帯電話が、すぐさまけたたましく鳴る。
男はそれを自ら右手に持ち替えた短刀で思い切り刺した。
携帯電話は、もう鳴らない。
「全くうるさいのぉ」
「買うたばかりやのにぃ」と男はまた両手で顔を覆った。
この人は狂ってる
上手く息ができない。
柚葵の喉を通る空気がヒューと音を立てた。
「どないしよ。お姉ちゃんいっぺん死んどく?」
真顔で見られて心臓が一瞬止まった。
これは一体なんの罰なのだろう。
カツンカツンと革靴を鳴らし、男が柚葵に近付いてくる。
座ったまま後ろに躙り寄るが、手足を縛られ上手く動けない。
カツンカツン
カツンカツン
男が柚葵の目の前まで来た時だった。
「シィー」と男が自分の唇に人差し指を当てる。
「キタキタキタキタキター!」
嬉しそうに男が絶叫した瞬間だった。
部屋の扉が勢い良く開いた音がする。
振り返ればそこに、真島が立っていた。
なんで
どうして
来ては、ダメなのに