あなた...小さなレストランの若きオーナー
右見て左見て、前を見て
空欄の場合は"柚葵"になります
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「おつかれさま、今日はもう上がっていいよ」
GRANDは今日も一日盛況だった。
柚葵は充実した営業に安堵し、同時にこの後のことを考える。
真島さんが迎えに来てくれるんだった
時計をチラチラと気にし、落ち着かない。
「…なんかあった?」
訝しがるような勇人の視線に冷やりとする。
真島とのことをいつか説明しなければと思うが、今はまだ言い出せない。
「なんでもないよ。明日も学校なんだから早く帰りなさい」
平静を装ったつもりだが、内心落ち着かなかった。
拭きあげたグラスを棚の上に置こうと背伸びする。
その手が震えた。
「危ねぇな。俺がやるよ」
背後から勇人の手が伸びてきた時だった。
「ひゃっ!」
突然勇人が柚葵の着ているコック服の襟首を後ろから引っ張った。
危うくグラスを落とすところだった。
「もう!な…」
怒って振り返った柚葵の目に映ったのは、怒りに満ちた勇人の表情だった。
「なんだよ、それ」
「…え?」
何のことか分からず瞬きする。
「首のそれ、なんだよ」
勇人に言われ、柚葵はハッと首を右手で押さえた。
昨夜真島に愛された印がハッキリ残っていることに気付いたからだ。
「それ、なんだって聞いてんだよ」
「…これは」
「あいつか?」
勇人の肩が怒りに震える。
何か言い訳を、と思うのに何も思い付かなかった。
「お前、まさか…あいつと寝たのか?」
「ち…」
"違う"と言おうとして口ごもる。
勇人に嘘は付けないと思うのに、嘘をつかなくちゃいけないとも思う。
「なんであいつなんだよ」
「勇人、あのね」
「なんであいつなんだよ!」
勇人の拳が調理台を叩く。
ドン!という鈍い音に、柚葵の肩がピクリと震えた。
その次の瞬間には狭い厨房の中で勇人に両手を掴まれる。
弾みで柚葵の左手にあったグラスが床に落とされ、それがガシャンという無機質な音を立てる。
「勇人、やめっ!」
力一杯抵抗するが男のそれに到底敵う筈もなく、気付けば壁際に追い込まれていた。
勇人は柚葵両手の拘束を片手に変えると、もう片方の手で顔を掴んだ。
そのまま強引に口付けされる。
「んん…っ」
噛み付くようにキスされ、強引に舌が割り込んでくる。
柚葵は歯を閉じ防ごうとするが、今度は首を掴まれ息苦しさに侵入を許してしまう。
「ぅ…んんっ」
顔を振って抵抗しようとするが、勇人の指が首に食い込んでそれができない。
やっと唇が離れたと思えば、次にはそれが首筋に降りてきた。
「ゃ…め…」
拒絶の言葉も口にできないほど息苦しい。
次の瞬間には鈍い痛みが首筋に走った。
行われている行為を想像し、ゾッとする。
一つや二つではない数の印を勇人が首筋に付けていく。
恐怖と悲しみに涙が零れた。
「や…めてぇ」
やっと出した拒絶の言葉に、勇人の力が緩められる。
柚葵はただその場に脱力した。
「…絶対に許さねぇから」
目の前にいるのは知らない人だと柚葵は思った。
そこにいるのは幼い頃から苦楽を共にした、弟のような男ではもうなかった。
「絶対にあいつになんか、渡さねぇ」
「…こんな…こと…」
勇人が柚葵を見下ろす瞳があまりにも冷たく、恐怖に全身が震えた。
なんで、どうして、と聞きたいのに声が出ない。
その場にしゃがみ込んだ柚葵の耳元で勇人が囁く。
「そんなに俺に印を付けられて、もうあいつには会えないね」
GRANDは今日も一日盛況だった。
柚葵は充実した営業に安堵し、同時にこの後のことを考える。
真島さんが迎えに来てくれるんだった
時計をチラチラと気にし、落ち着かない。
「…なんかあった?」
訝しがるような勇人の視線に冷やりとする。
真島とのことをいつか説明しなければと思うが、今はまだ言い出せない。
「なんでもないよ。明日も学校なんだから早く帰りなさい」
平静を装ったつもりだが、内心落ち着かなかった。
拭きあげたグラスを棚の上に置こうと背伸びする。
その手が震えた。
「危ねぇな。俺がやるよ」
背後から勇人の手が伸びてきた時だった。
「ひゃっ!」
突然勇人が柚葵の着ているコック服の襟首を後ろから引っ張った。
危うくグラスを落とすところだった。
「もう!な…」
怒って振り返った柚葵の目に映ったのは、怒りに満ちた勇人の表情だった。
「なんだよ、それ」
「…え?」
何のことか分からず瞬きする。
「首のそれ、なんだよ」
勇人に言われ、柚葵はハッと首を右手で押さえた。
昨夜真島に愛された印がハッキリ残っていることに気付いたからだ。
「それ、なんだって聞いてんだよ」
「…これは」
「あいつか?」
勇人の肩が怒りに震える。
何か言い訳を、と思うのに何も思い付かなかった。
「お前、まさか…あいつと寝たのか?」
「ち…」
"違う"と言おうとして口ごもる。
勇人に嘘は付けないと思うのに、嘘をつかなくちゃいけないとも思う。
「なんであいつなんだよ」
「勇人、あのね」
「なんであいつなんだよ!」
勇人の拳が調理台を叩く。
ドン!という鈍い音に、柚葵の肩がピクリと震えた。
その次の瞬間には狭い厨房の中で勇人に両手を掴まれる。
弾みで柚葵の左手にあったグラスが床に落とされ、それがガシャンという無機質な音を立てる。
「勇人、やめっ!」
力一杯抵抗するが男のそれに到底敵う筈もなく、気付けば壁際に追い込まれていた。
勇人は柚葵両手の拘束を片手に変えると、もう片方の手で顔を掴んだ。
そのまま強引に口付けされる。
「んん…っ」
噛み付くようにキスされ、強引に舌が割り込んでくる。
柚葵は歯を閉じ防ごうとするが、今度は首を掴まれ息苦しさに侵入を許してしまう。
「ぅ…んんっ」
顔を振って抵抗しようとするが、勇人の指が首に食い込んでそれができない。
やっと唇が離れたと思えば、次にはそれが首筋に降りてきた。
「ゃ…め…」
拒絶の言葉も口にできないほど息苦しい。
次の瞬間には鈍い痛みが首筋に走った。
行われている行為を想像し、ゾッとする。
一つや二つではない数の印を勇人が首筋に付けていく。
恐怖と悲しみに涙が零れた。
「や…めてぇ」
やっと出した拒絶の言葉に、勇人の力が緩められる。
柚葵はただその場に脱力した。
「…絶対に許さねぇから」
目の前にいるのは知らない人だと柚葵は思った。
そこにいるのは幼い頃から苦楽を共にした、弟のような男ではもうなかった。
「絶対にあいつになんか、渡さねぇ」
「…こんな…こと…」
勇人が柚葵を見下ろす瞳があまりにも冷たく、恐怖に全身が震えた。
なんで、どうして、と聞きたいのに声が出ない。
その場にしゃがみ込んだ柚葵の耳元で勇人が囁く。
「そんなに俺に印を付けられて、もうあいつには会えないね」