あなた...小さなレストランの若きオーナー
揺れる思い
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「いらっしゃいませ!」
一時はどうなることかと思ったが、オープンから2週間後には盛況だった。
どこから聞いたのか神室町で働くホステスやキャバクラ嬢、黒服などが連日訪れる。
客層に偏りはあるものの、このまま行けば利益が出そうなくらいにまで伸びていた。
「昨日疲れたから精の付くもの食べたいなー」
もうすでに来店三回目のキャバクラ嬢がカウンターに座る。
神室町のそこそこ良い店に勤めているらしかった。
「こんばんは、春香さん。それなら好きだって言ってたラム肉があるので焼きますね。
にんにく、平気ですか?」
「わぁー、覚えててくれたのー?明日休みだからにんにく大丈夫!」
「かしこまりました」
GRANDには一応メニュー表はあるもののこうやって客の食べたいものがあれば、
できる限りリクエストに応えられるようにしていた。
柚葵の「お客様の喜ぶ顔が見たい」という気持ちの表れだった。
「勇人くん、ビールー」
「はい、ただいま」
勇人のウエイターも板についていて、二人で十分店を回せるようになっていた。
何より甘いマスクのは勇人は女性客に人気で、それも効果が出ているようだ。
姉弟みたいに育った私にはわかんないけど、勇人ってモテるんだよね
「お待たせしました。ラムの香草焼きです。パクチーも乗せときました」
「わーい、ありがと」
差し出された料理を春香が美味しそうに頬張る。
その姿に柚葵は真島の姿を重ねた。
真島さんの食べてる時の顔が、一番好きだな、やっぱり
「そういえば、春香さん誰かに聞いてうちに来てくれたんですよね?」
そう言えば…と以前から気になっていたことを口にする。
初めて来たときは失礼かと思って聞けなかったが、今なら聞ける気がした。
「んー?えっとね。お客さん。真島吾朗ってヤクザなんだけど柚葵ちゃんも知ってるでしょ?」
「あれ、吾朗ちゃんのだもんね?」と春香がレジ横の黒い名刺を指さした。
「…え?」
思ってもない名前に柚葵の胸が高鳴った。
「最初はすごいゴリ押しだったの。『行ったらすぐ連絡しぃ!感想聞きに行くから!』みたいな。
そんなこと言われたら来るしかないでしょ?正直最初は営業の一環みたいな気持ちだったんだけど、
柚葵ちゃんの料理食べたら通いたくなっちゃった。お客さんと食べる高い料理も美味しいけど、
柚葵ちゃんの料理ってなんかホッとするんだもん」
「たぶんみんなそんな感じだよ」と付け加える。
「真島吾朗の影響力ってこの町じゃなかなかあるからね。
人によるかもだけど、最強の広告かも」
へへと笑う春香に「そうなんですね」と笑顔を返した。
真島さん…そんなことまでしてくれたんだ。
柚葵の中に暖かい感情が芽生えていくのがわかる。
会いたいな、真島さんに。
真島と最後に会ってからもう2週間が経とうとしていた。
一時はどうなることかと思ったが、オープンから2週間後には盛況だった。
どこから聞いたのか神室町で働くホステスやキャバクラ嬢、黒服などが連日訪れる。
客層に偏りはあるものの、このまま行けば利益が出そうなくらいにまで伸びていた。
「昨日疲れたから精の付くもの食べたいなー」
もうすでに来店三回目のキャバクラ嬢がカウンターに座る。
神室町のそこそこ良い店に勤めているらしかった。
「こんばんは、春香さん。それなら好きだって言ってたラム肉があるので焼きますね。
にんにく、平気ですか?」
「わぁー、覚えててくれたのー?明日休みだからにんにく大丈夫!」
「かしこまりました」
GRANDには一応メニュー表はあるもののこうやって客の食べたいものがあれば、
できる限りリクエストに応えられるようにしていた。
柚葵の「お客様の喜ぶ顔が見たい」という気持ちの表れだった。
「勇人くん、ビールー」
「はい、ただいま」
勇人のウエイターも板についていて、二人で十分店を回せるようになっていた。
何より甘いマスクのは勇人は女性客に人気で、それも効果が出ているようだ。
姉弟みたいに育った私にはわかんないけど、勇人ってモテるんだよね
「お待たせしました。ラムの香草焼きです。パクチーも乗せときました」
「わーい、ありがと」
差し出された料理を春香が美味しそうに頬張る。
その姿に柚葵は真島の姿を重ねた。
真島さんの食べてる時の顔が、一番好きだな、やっぱり
「そういえば、春香さん誰かに聞いてうちに来てくれたんですよね?」
そう言えば…と以前から気になっていたことを口にする。
初めて来たときは失礼かと思って聞けなかったが、今なら聞ける気がした。
「んー?えっとね。お客さん。真島吾朗ってヤクザなんだけど柚葵ちゃんも知ってるでしょ?」
「あれ、吾朗ちゃんのだもんね?」と春香がレジ横の黒い名刺を指さした。
「…え?」
思ってもない名前に柚葵の胸が高鳴った。
「最初はすごいゴリ押しだったの。『行ったらすぐ連絡しぃ!感想聞きに行くから!』みたいな。
そんなこと言われたら来るしかないでしょ?正直最初は営業の一環みたいな気持ちだったんだけど、
柚葵ちゃんの料理食べたら通いたくなっちゃった。お客さんと食べる高い料理も美味しいけど、
柚葵ちゃんの料理ってなんかホッとするんだもん」
「たぶんみんなそんな感じだよ」と付け加える。
「真島吾朗の影響力ってこの町じゃなかなかあるからね。
人によるかもだけど、最強の広告かも」
へへと笑う春香に「そうなんですね」と笑顔を返した。
真島さん…そんなことまでしてくれたんだ。
柚葵の中に暖かい感情が芽生えていくのがわかる。
会いたいな、真島さんに。
真島と最後に会ってからもう2週間が経とうとしていた。