あなた...小さなレストランの若きオーナー
揺れる思い
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「吾朗ちゃん、久しぶりー」
語尾にハートマークをたくさん飛ばした女たちが群がってくる。
「えらい顔出さんくて悪かったなぁ」
久しぶりに顔出したキャバクラで馴染みの肩を抱いた。
咥えた煙草に差し出されるライターで火を付けると、ふと差し出された手を掴む。
「やだー、急にどうしたの?」
「んー、綺麗な手やなぁと思て」
派手なネイルが施され、手入れの行き届いた綺麗な指先だった。
水仕事なんかしたことありません、と書いてある。
柚葵の手とはえらい違いや
あれから何日経ったであろうか。
感情を堪えきれず、柚葵の手を握ったあの日から…
「そうや、普段自分らどういうとこで飯食うてんの?」
「グランドホテルのフレンチー」
ケタケタと笑うキャバクラ嬢に「そら客に連れてってもらうとこやろ」と突っ込みを入れる。
「自分らの金で行くときはもっとこじんまりしたとこ行くやろ?
わし、一個おすすめの美味い飯屋知ってんねん」
「どこどこー?吾朗ちゃん連れってくれるの?」
群がる女たちに「わしと行くときはもっとええとこ連れてったる」とかわしながら
「GRAND」の宣伝をさりげなくする。
サバのパスタが絶品だとか、肉料理が美味いだとか、「煮つけまで美味いんやで」と笑い
「なぁ?」と向かいの席で酒を飲む部下に同意を求めた。
「あ、はい!そりゃもう絶品で!」
(最近親父、どこ行ってもあの飯屋の話ばっかりだな。もう俺のセリフも決まり文句みてーじゃん)
飲みに出歩く度交わされる会話に、どの組員も首を傾げていた。
(その割に自分じゃ全然行かねーんだよなぁ)
「絶対美味いから行った方がええで。味はわしが保証したる!」
「そんなに美味しいなら今度の休み行ってみようかなー。
確かに自分たちで行くときはそんな高いとこ行けないもん」
「行ったら連絡してやー。そん時感想聞きにまた来るわ」
「もうそれ絶対行かなきゃじゃん!」
キャアキャアと笑う女たちに「当たり前やろ!」と真島は笑う。
どんなに着飾った女に囲まれていても頭の中には柚葵の笑顔が浮かんでいた。
語尾にハートマークをたくさん飛ばした女たちが群がってくる。
「えらい顔出さんくて悪かったなぁ」
久しぶりに顔出したキャバクラで馴染みの肩を抱いた。
咥えた煙草に差し出されるライターで火を付けると、ふと差し出された手を掴む。
「やだー、急にどうしたの?」
「んー、綺麗な手やなぁと思て」
派手なネイルが施され、手入れの行き届いた綺麗な指先だった。
水仕事なんかしたことありません、と書いてある。
柚葵の手とはえらい違いや
あれから何日経ったであろうか。
感情を堪えきれず、柚葵の手を握ったあの日から…
「そうや、普段自分らどういうとこで飯食うてんの?」
「グランドホテルのフレンチー」
ケタケタと笑うキャバクラ嬢に「そら客に連れてってもらうとこやろ」と突っ込みを入れる。
「自分らの金で行くときはもっとこじんまりしたとこ行くやろ?
わし、一個おすすめの美味い飯屋知ってんねん」
「どこどこー?吾朗ちゃん連れってくれるの?」
群がる女たちに「わしと行くときはもっとええとこ連れてったる」とかわしながら
「GRAND」の宣伝をさりげなくする。
サバのパスタが絶品だとか、肉料理が美味いだとか、「煮つけまで美味いんやで」と笑い
「なぁ?」と向かいの席で酒を飲む部下に同意を求めた。
「あ、はい!そりゃもう絶品で!」
(最近親父、どこ行ってもあの飯屋の話ばっかりだな。もう俺のセリフも決まり文句みてーじゃん)
飲みに出歩く度交わされる会話に、どの組員も首を傾げていた。
(その割に自分じゃ全然行かねーんだよなぁ)
「絶対美味いから行った方がええで。味はわしが保証したる!」
「そんなに美味しいなら今度の休み行ってみようかなー。
確かに自分たちで行くときはそんな高いとこ行けないもん」
「行ったら連絡してやー。そん時感想聞きにまた来るわ」
「もうそれ絶対行かなきゃじゃん!」
キャアキャアと笑う女たちに「当たり前やろ!」と真島は笑う。
どんなに着飾った女に囲まれていても頭の中には柚葵の笑顔が浮かんでいた。