あなた...小さなレストランの若きオーナー
揺れる思い
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「えらい世話んなったなぁ。こない人数で押しかけて迷惑やったやろ」
満足したのか真島がカウンターから声をかけてくる。
「いえ!全然です!久しぶりにたくさん料理できて楽しかったですし」
笑顔で柚葵がそう返すと、「お前らも礼言いや!」という真島の声に数十人の男たちが
「「ごちそうさんでした!」」と声を張り上げた。
「あ、はい。皆さんもお口に合いましたか?」
数十人の極道を相手にしていると言うのに、随分堂々としたものだと自分でも思った。
同時にこの人達が全員真島の部下であるから怖くないのだとも思う。
「めちゃくちゃ美味かったです!」
「久しぶりに美味い飯食いました!」
「あの肉!あれやばかったっす!」
口々に漏らされる感想に柚葵は嬉しくなる。
「ほなお前ら先に事務所戻りぃ。わしも少ししたら戻るさかい」
部下たちを先に店から出すと真島は分厚い封筒をカウンターに置いた。
「えらい騒がしたなぁ。これで足りるとええんやけど」
「こんなの!絶対多いです!」
封筒の中身は見なくてもわかった。
店の家賃を払ってもお釣りが来そうな額の札束に柚葵は首を横に振る。
「急に来て迷惑かけたんや。その分やと思ってしまっとき」
「でも…」
「ええから。ほな行くわ」
真島はカウンターから立ち上がると、急にフッと笑った。
「ほんまに貼ってくれてんねや」
レジ横にある自身の名刺が目に入ったのだろう。
柚葵は急に恥ずかしくなって、頬を赤らめた。
「はい、お守りですから。それにあれを見ると
真島さんが美味しそうに食べて下さったの思い出して
また頑張ろうって思えるんですよ」
「…自分、ほんま悪い子やなぁ」
柚葵の言葉に真島は困ったように笑ってそのまま店を出て行ってしまった。
「私、何か悪いことした?」
困惑した表情で柚葵は勇人に尋ねる。
「知らねーけど。俺はまずあのヤクザとどういう知り合いなのか聞きたいね」
不貞腐れた様子で勇人は答え、もくもくと皿を片付けていく。
柚葵もカウンターを片付けようとしてふと気付いた。
真島が座っていた席に、まだ空ではないハイライトが残っている。
「私、ちょっと行ってくる!」
「おい!柚葵!」
勇人の制止も届かないまま、柚葵は煙草を掴んで走り出していた。
満足したのか真島がカウンターから声をかけてくる。
「いえ!全然です!久しぶりにたくさん料理できて楽しかったですし」
笑顔で柚葵がそう返すと、「お前らも礼言いや!」という真島の声に数十人の男たちが
「「ごちそうさんでした!」」と声を張り上げた。
「あ、はい。皆さんもお口に合いましたか?」
数十人の極道を相手にしていると言うのに、随分堂々としたものだと自分でも思った。
同時にこの人達が全員真島の部下であるから怖くないのだとも思う。
「めちゃくちゃ美味かったです!」
「久しぶりに美味い飯食いました!」
「あの肉!あれやばかったっす!」
口々に漏らされる感想に柚葵は嬉しくなる。
「ほなお前ら先に事務所戻りぃ。わしも少ししたら戻るさかい」
部下たちを先に店から出すと真島は分厚い封筒をカウンターに置いた。
「えらい騒がしたなぁ。これで足りるとええんやけど」
「こんなの!絶対多いです!」
封筒の中身は見なくてもわかった。
店の家賃を払ってもお釣りが来そうな額の札束に柚葵は首を横に振る。
「急に来て迷惑かけたんや。その分やと思ってしまっとき」
「でも…」
「ええから。ほな行くわ」
真島はカウンターから立ち上がると、急にフッと笑った。
「ほんまに貼ってくれてんねや」
レジ横にある自身の名刺が目に入ったのだろう。
柚葵は急に恥ずかしくなって、頬を赤らめた。
「はい、お守りですから。それにあれを見ると
真島さんが美味しそうに食べて下さったの思い出して
また頑張ろうって思えるんですよ」
「…自分、ほんま悪い子やなぁ」
柚葵の言葉に真島は困ったように笑ってそのまま店を出て行ってしまった。
「私、何か悪いことした?」
困惑した表情で柚葵は勇人に尋ねる。
「知らねーけど。俺はまずあのヤクザとどういう知り合いなのか聞きたいね」
不貞腐れた様子で勇人は答え、もくもくと皿を片付けていく。
柚葵もカウンターを片付けようとしてふと気付いた。
真島が座っていた席に、まだ空ではないハイライトが残っている。
「私、ちょっと行ってくる!」
「おい!柚葵!」
勇人の制止も届かないまま、柚葵は煙草を掴んで走り出していた。