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炎との再会

side 3年C組


「お前と組むことになる1年が心配だわ」
「何故だ?俺はとても楽しみだ!」
──なんてったって此奴の継子は激しい稽古に耐えかねて辞めてったしなァ
この学園には兄弟制度と呼ばれる、3年と1年のパートナー制度が存在する。凡そ普通の高校では考えられないようなイベントが数多く行われるため、新入生がそれを乗り越えられるよう3年が手を貸すために存在する。"弟"の1年がイベントで良い成績を残せば、"兄"である3年にも相応の評価が付く。そのためパートナー選びは3年にとって重要なのだ。
入学式の翌日である今日がそのパートナー選びの日だ。普段はそう朝の早くない宇髄が煉獄と昇降口で居合わせるような時間に家を出たのは、パートナー選びのためであった。

「はよ~」
「おはよう!」
教室のドアを開けると、既に来ていたのはわずか3人だった。
「おはよう天元、杏寿郎~」
「おはよう、お前たちも1年の名簿見に早く来たんだろ?」
やわらかに挨拶した善法寺伊作、続いて食満留三郎が声をかける。
「当たり~、伊作が名簿手に入れたんだな」
「校医の新野先生に頼んで貰ったんだ」
1、2年で保健委員を務めた善法寺らしい入手方法だ。
「で、お前はなんで固まってるんだよ冨岡」
食満と共に1年名簿の表示されたタブレット端末を見ていたその人に声をかける。
「知り合いでもいたか?」
宇髄と煉獄も端末を覗き込む。

──あぁ、これは

名前と顔写真の並ぶ中に、よく知る者たちが居た。
「って、お前覚えてんのかよ冨岡ァ!言えや!」
「? わざわざ話すようなことでもないだろう」
「そういうとこだからな!」
高校に入学して、真っ先に再会し同じクラスとなった煉獄と冨岡はどちらも鬼狩りの記憶など持っていない様子で、少しばかり宇髄に感傷を覚えさせもしたのだ。だというのにこの男はしれっとこう言うのだから、多少怒ったっていいだろう。
「む、知り合いか?」
真実、記憶の無い煉獄が問いかける。
「あぁ、随分と昔のな」

──竈門炭治郎、我妻善逸、嘴平伊之助

その三名の名はとても懐かしく、学園生活最後の学年を派手に盛り上げるのには十分な名前だ
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