クラスメートの私
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え?女バレの?岩瀬さん……?
がーーん、と頭を何かで殴られたみたいにショックだった。
あんまり距離が近くなっていたものだったから、純ちゃんに他に好きな子がいるとか、高2の時点で私じゃない子が好きだったとか、想像もしてなかった。
岩瀬さんのことは覚えてる。
隣のクラスで、ハキハキしてて元気いっぱいで明るい。ベリーショートが似合う背が高くてスレンダーな子だった。それに比べて私は……、くせっ毛のボブヘアに童顔。しかもチビでスタイルも良くはない。
せっかく恋人に浮気されたこと忘れかけてたのに、あっという間に現実に戻された。
あーあ、やっぱり私じゃダメだったのかも。せっかく過去に戻れたのに、またやり直せるとか甘いこと思ってた自分が恥ずかしい。そんなわけないのに。だいたい、この世界でも、純ちゃんを私が一方的に好きなだけなのに……。
虚しくなって、机に伏せた。
もういっそ、岩瀬さんと純ちゃんのことを応援すれば、この先の未来で私が傷つくことなんてないのかなあ。
「真壁?」
聞きなれた声で呼びかけられて、返事をする。
なんでこのタイミングかなぁ、純ちゃん。
「大丈夫か?体調悪いの?」
「いや、先生に出された問題、結構難しくて……苦戦……して……て…。」
まさかあなたに好きな人がいて辛くて伏せました、なんて言えるわけないので、適当に誤魔化す。確かに問題が難しくて苦戦してたのはほんとだし。今は解く気力もないけれど。
見せて、と私の前の席に座る純ちゃん。
顔を少しあげて見上げると、こてん、と首を傾げて私を見つめてくる。
あぁ、やっぱり好きだ。
そう思えば思うほど、鼻の奥がツン、と痛くなる。
「時間かかりそうだし、手嶋くん、忙しいでしょ?私に構ってないで部活の仕事しなよ。」
「?まあ、そりゃ忙しいけど……、真壁のこと心配だったから…。」
「大丈夫、大丈夫。今日放課後残って片付けるから。」
「じゃあ終わったら連絡して。一緒に帰ろうぜ」
「っ〜、…わかった。」
私が了承の返事をすると、5限の授業が始まる予鈴が鳴って、純ちゃんは自分の席へ帰って行った。
一緒に帰ろうだなんて、嬉しいこと言われてしまったら、さっきまでの辛いのとか悲しいのとかモヤモヤとか、全部消えてしまって、私は目の前の課題に集中することが無くなった。
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