1.雨に濡れた横顔
あなたのお名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
しばらくすると、結子ちゃんが戻ってきた。
すぐに目が合ったから、にこっと笑って手を振った。
そうしたら結子ちゃんも、目を細めて笑う。
…本当に綺麗な笑顔だな。
今まで、見たことないくらい。
「 せーんどーう 」
「 もしかして…この声は越野かな?」
「 正解 」
背後から聞き覚えのある声がして、振り向く前に耳を引っ張って連れて行かれた。
「 お前なー、マネージャーの子に手を振るな 」
「 何で?」
「 何でって練習中だろ 」
「 俺は別に大丈夫だけど 」
「 はぁぁあ… 」
越野はため息をついてそのまま無言になった。
…あれ、越野生きてる?
「 越野… 」
「 お前目当ての子が喜ぶだけだろ…本当に… 」
「 嫉妬?」
「 そうじゃなくて!!!」
うぉ、食い気味…
そこまでして否定しなくても。
「 何人も何人もやめさせられただろ、仕事がなってないって 」
「 うん 」
「 お前見るためだけにマネになったからだよ 」
「 知ってる 」
「 知ってるなら練習しろ!!」
キーン…
そろそろ耳にタコが出来そうだな…
みんなが見てる前で大声で怒らなくても…
…ちらっと結子ちゃんのいた方を見ると、
マネージャーの子たちが俺達をずっと見ているのに、また1人で作業をしていた。
「 今年も0になったらどうすんだよぉぉ……大変じゃねーか… 」
「 ……1人残るよ、」
「 残らないだろきっと… 」
「 越野はもっと周り見る力つけた方がいいよ 」
「 あ?」
まだ結子ちゃんの良さに気付かないなら、ずっと気付かなくてもいい。
俺だけが分かってればいいから。